「軽」にも「上級車」にも! 次世代ホンダセンシング360とは 2024年以降、グローバル展開

公開 : 2022.12.01 13:45

ホンダのADASの将来像を体験。軽も含めた「四輪全機種」に、2030年までに適用するというホンダセンシング360の次世代技術をレポートします。

軽にも「360」普及を 四輪全機種へ

執筆:Hajime Aida(会田肇)

ホンダは12月1日、全方位安全運転支援システム「Honda SENSING360(ホンダセンシング・サンロクマル)」と、ホンダセンシングのフラッグシップとして世界で初めて形式認定を取得した「Honda SENSING Elite(エリート)」の次世代技術を報道関係者に公開した。

ホンダが目指す“次世代”の安心・安全技術をいち早く体験した形だ。

次世代ホンダセンシング360の目玉機能を同社テストコースで先行体験してきた。開発車両はアコード、レジェンドであったが、「2030年までに先進国でホンダセンシング360の四輪全機種への適用を目指す」と宣言したホンダ。ゆくゆくは「軽」にも搭載される。
次世代ホンダセンシング360の目玉機能を同社テストコースで先行体験してきた。開発車両はアコード、レジェンドであったが、「2030年までに先進国でホンダセンシング360の四輪全機種への適用を目指す」と宣言したホンダ。ゆくゆくは「軽」にも搭載される。    ホンダ

ホンダはこれまで、交通に関係するすべての人が事故に遭わない社会の実現を目指すスローガンとして「Safety for Everyone」を掲げ、その実現に向けてハード/ソフトの両面で安全技術の研究開発に取り組んできた。

その実現に向けたステップとして、ホンダが展開してきたのが安全運転支援システム「ホンダセンシング」で、同年12月からは「ホンダセンシング・エリート」で培った知見を生かした「ホンダセンシング360」を中国市場を皮切りにスタートさせることがすでに発表されている。

今回、公開された技術は、このホンダセンシング360の次世代技術として発表されたものだ。

ドライバーの異常や周辺環境を検知して事故を未然に防ぐことで、ドライバーの運転負荷をさらに軽減することを目的とし、2024年以降、ホンダセンシング360の追加機能としてグローバルで展開を予定する。

“すべてのホンダ車に搭載される”見込みで計画されており、それは上級グレードの車種にとどまらず、軽自動車なども分け隔てなく対象としているのが、ホンダセンシングから続くホンダの基本的な安心安全に向けた考え方と言っていいだろう。

「きわめて自然」 次世代360体験

また、2020年代半ばには、ホンダセンシング・エリートの次世代技術も予定される。

人のように経験しながら成長するホンダ独自のAI技術を駆使して、複雑なシーンの認識や一般道のような複雑な環境への対応を可能とする。

時速100キロでハンズフリー走行。次世代ホンダセンシング360では、前方のカーブの曲率に応じて、緩やかに減速し、車線中央を沿って走る。目の前にカーブが迫っているのに、ACCの設定速度を維持してしまう支援から一歩進んだ制御。
時速100キロでハンズフリー走行。次世代ホンダセンシング360では、前方のカーブの曲率に応じて、緩やかに減速し、車線中央を沿って走る。目の前にカーブが迫っているのに、ACCの設定速度を維持してしまう支援から一歩進んだ制御。    AUTOCAR JAPAN

具体的にはリスクを最小限に抑えながら自宅から目的地まで一般道も含めた形で安全でシームレスな移動を支援する。その中には、幹線道路での渋滞時のハンズオフ機能など一般道での運転支援、高速道のジャンクションなどでの合流・分岐シーンでのハンズオフの実現。さらには自宅での自動駐車支援なども含まれる。

ここからはホンダセンシング360に追加される次世代技術について、その体験をレポートしていきたい。

ハンズオフ機能付き高度車線内運転支援機/ハンズオフ機能付き高度車線変更支援機能

システムがアクセル/ブレーキ/ステアリングを操作し、ドライバーがハンドルから手を放しても、車速や車線内の中央付近の走行を維持できるように支援し、ドライバーの運転負荷軽減に役立てるものだ。

最大のポイントは、手を放したままでカーブにさしかかってもその曲率を事前に読み取り、最適な車速にまで減速してスムーズなコーナリングを支援することにある。

そのため、ドライバーは前方さえ視認していれば、高速道路や自動車専用道路において、ハンドル操作なしで走行することができるのだ。

作動中はきわめて自然に行われ、車線の中央をピタッと張り付くように走行するため、走行はきわめて安定。

それだけに不安を感じることは一切なかった。ただ、減速については「減速し過ぎるかも」と感じることも。開発担当者によれば「実証を重ねることで最適な減速を検証するほか、場合によっては調整機能を追加すべきかなども検討していきたい」と話していた。

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    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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