【予想された衝撃】メルセデス・ベンツEQG登場 プレミアムオフローダーEV受け入れられる?

公開 : 2021.09.13 05:45

メルセデスがEVのGクラス、EQGを披露。プレミアムオフローダーのEV化は自然な形で受け入れられると予想します。

プレミアムオフローダーにも

執筆:Kenji Momota(桃田健史)
編集:Taro Ueno(上野太朗)

欧州で急加速するEVシフトが、プレミアムなオフローダーの領域にも大きな影響を及ぼし始めた。

とくに今回、本命が登場したことで、こうしたトレンドがグローバルで一気に広まりそうだ。

お披露目されたメルセデス・ベンツEQG
お披露目されたメルセデス・ベンツEQG    メルセデス・ベンツ

メルセデス・ベンツEQGが、このタイミングで登場するのは十分に予想できたことだ。

それでも、その姿がドイツから世界に向けて発信されると、セレブたちの間では大きな話題となっている。

メルセデス・ベンツは2021年9月6日、ドイツ南部のミュンヘンで開催されたIAA(国際自動車ショー)でEQGコンセプトをワールドプレミアした。

IAAといえば長年、フランクフルトモーターショーとして親しまれ地元ジャーマン3(ダイムラー、BMW、VWグループ)が新型モデル発表に加えて、中長期の事業計画を発表する場として活用されてきた。

だが、自動車産業界がいわゆる「100年に1度の大変革期」に突入し、ダイムラー傘下のメルセデス・ベンツがマーケティング用語としてCASEを2010年内中ごろから唱え、通信によるコネクテッド、自動運転、シェアリングなどの新サービス、そして電動化が複合した技術開発が急速に進み始めた。

そうした中、モーターショーのあり方自体も変わる必要が出てきたため、IAAを主催するドイツ自動車工業会は、今年から新生「IAAモビリティ」をミュンヘンで開催することを決めた。

メルセデスEQのトリ「EQG」

IAAモビリティでは、やはりEVへの注目度が高かった。

欧州連合(EU)の執務機関である欧州委員会(EC)は今年7月、環境政策として推進する欧州グリーンディールの具体的な中身を公開したからだ。

メルセデス・ベンツEQG
メルセデス・ベンツEQG    メルセデス・ベンツ

その中で、自動車については「2035年までに欧州域内で発売する新車でICE(内燃機関車)を禁止する」とした。

一般的に、ICE(インターナル・コンバッション・エンジン)とは、ガソリン車とディーゼル車を指す。

一方、電動車とは、HEV(ハイブリッド車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、EV(電気自動車)、FCV(燃料電池車)を指す。

また、見方によってはICEとモーターが連動するHEVやPHEVもICEに組み込むという考え方があり、欧州委員会の義務化規定はこれに該当する。

こうした欧州委員会の決定を受けるかたちで、メルセデス・ベンツは「市場環境が整えば、2030年までに全モデルをEV(またはFCV)」という完全EVシフトを打ち出した。

ダイムラー史上、最大級ともいえる事業の大転換であり、世界自動車産業界に激震は走った。

それから2か月が経ち、IAAモビリティではEQGを含めたEQフルラインナップのお披露目がおこなわれることは確実だった。

メルセデスのプレゼンでは、EQEEQSマイバッハ、そしてEQGが「トリ」をとったことからも、EQGの重要度の高さ分かる。

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