アルピナD5 Bi-Turbo

公開 : 2012.02.06 17:41　　更新 : 2017.05.29 18:24

■どんなクルマ？

メーカーによれば、新しいアルピナD5 Bi Turboは「地球で最も凄いグリーンカー」だという。このグリーンカーは、345bhpのパワーと、途方もない71.3kg-mのトルクを持ち、273km/hの最高速度に達する前に0-100km/hを5.1秒で駆け抜ける。しかし、このD5 Bi Turboが他のドイツ製メガサルーンと異なるのは以下の数値だ。155g/kmと16.9km/l。このような数値は、数年前まではスーパーミニの世界のものでしかなかった。しかし、現在は、その数値を殺人的なパフォーマンスのスーパーカーに求めることができるのだ。

その価格は55,950ポンド(6,714,00円)で、これはアルピナが英国市場を深く考慮したものである。できるだけスリムになるように努力をした結果だろう。BMW自身の高性能ディーゼルが発売されるまで、D5が実質的にその市場を独占することになるだろうが、アルピナは高価格でその潜在的顧客を放したくはなかったのだ。

事実、ベーシックなD5の装備は豪華である。最上級の革、スポーツシート、キセノン・ヘッドランプ、パーキング・ディスタンス・コントロールなどがスタンダードで装備されている。

■どんな感じ？

D5を動かし始めた瞬間から、アルピナのマジックにあなたの心はさらわれることになる。電子制御のダンパーのセッティングは実に幅広く、スポーツ+であればより硬くアグレッシブな走りが可能だし、コンフォート+を選べば通常の5シリーズよりも快適なドライブが可能だ。しかも、どのセッティングであろうと、D5は、通常の5シリーズでは味わえないような流れるようなチューニングがされている。

そのチューニングはタイヤまで及ぶ。M5にも標準装備されるミシュランの非ランフラットタイヤであるパイロット・スーパースポーツも、ダンパーとスプリングを見直し、素晴らしい結果を導きだしている。いずれにしてもD5のベースとなった535dが太刀打ちできない性能をD5は持っているのだ。

更に言うならば、BMW 535dに限らず、そのボンネットの下にディーゼル・エンジンを搭載するどのクルマに対しても、D5は異なる世界を見せてくれることは明白だ。事実、2993ccのツインターボ・ディーゼルは、M5とは異なる初期のレスポンスを見せてくれる。スロットルを踏めば、大きな力が水平線の彼方へクルマをひっぱってくれるような感覚が味わえるのだ。

■「買い」か？

巨大なトルクと、これもアルピナによってチューンされた8速スイッチトロニック・ギアボックスは、D5に他では見られないパフォーマンスをもたらしている。それはM5でも味わうことができないものだ。

(スティーブ・サトクリフ)