アウディ 次世代車で「オンデマンド」強化へ 好きなタイミングで機能追加

公開 : 2023.11.06 18:05

・アウディ、車両購入後にさまざまな機能を追加できる「オンデマンド」を強化する方針。
・ユーザーの声に応える形で導入。新型A4など次世代車から順次展開予定。
・ライバルの「失敗」にも怖気づくことなく…。

FoD強化 オンラインで機能追加

ドイツの自動車メーカーであるアウディは、次世代車において「オンデマンド」サービスを強化し、車両購入後もオンライン経由でさまざまな機能を追加できるようにする計画だ。

アウディの技術責任者であるオリバー・ホフマン氏は「次世代の電子アーキテクチャーでは『ファンクション・オンデマンド(FoD)』をより多く提供し、年々新しい機能を搭載していきます」と語った。

アウディは将来的にFoDが「普通」になると見込んでいる。
アウディは将来的にFoDが「普通」になると見込んでいる。

ホフマン氏は取材に対し、これは利益を上げるためのものではなく、ユーザーの要望に応えたものだとした。「数年前には、自動車販売よりもデジタル機能でより多くの収益を上げるというアイデアもありました」

現時点では、アウディのオンデマンドサービスはeトロンとeトロン・スポーツバックでのみ利用可能だ。機能としては、ロービームとハイビームを自動的に切り替えるLEDマトリックス・パッケージ、車両のロックとアンロック時に光のアニメーションを披露するライトファンクション・パッケージ、駐車スペースを見つけて自動で駐車できる半自動パーキング機能などに限られる。

各機能は、専用アプリの「myAudi」から好みのものを選んでインストールできる。ディーラーを訪れたり、ハードウェアを追加したりする必要はない。

アウディは、今後どのような機能を導入していくのかについては明らかにしていない。ホフマン氏は「これは大きな一歩です。クルマに新しい機能を導入したいというお客様の要望はあると思いますし、当社にとっても利益プールとなります。しかし、このような形の収益プールは見かけません」と語っている。

ファンクション・オンデマンドについてはユーザーから強い反発を受けることもある。BMWは以前、シートヒーターなどハードウェアベースの追加機能をサブスクリプション制で導入したが、今年になって廃止を発表した。しかし、ホフマン氏はオンデマンドが「将来的にはごく普通のものになる」と確信している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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