わずか5分で約140km分を充電 テスラに挑む水冷450kW急速充電器 欧州導入

公開 : 2023.11.29 06:25

・ロータスが最大450kWのDC急速充電器を欧州市場に導入。
・約5分で142km分を充電可能。10~80%の充電は約20分で完了。
・水冷式で充電速度を維持。欧州で高まる充電インフラ需要に対応。

ロータス、市販最速クラスの充電器を発表

英国の自動車メーカーであるロータスは、テスラに匹敵する最大出力450kWのEV用急速充電器を発表した。わずか5分で約140km分を充電できるとされる。

この充電器は主に企業向けに設計されており、2024年前半に欧州市場で発売される予定だ。高速道路のサービスエリアなどに展開される可能性が高い。

ロータスが発表した450kWのDC急速充電器
ロータスが発表した450kWのDC急速充電器    ロータス

ロータス以外のEVでも使用でき、一度に最大4台を充電することが可能だ。450kWのDC(直流)充電器、パワーキャビネット、充電ユニットで構成され、高温時にも充電速度を維持するため水冷式を採用している。

ロータスによると、電動SUVのエレトレRの場合、約5分で142km分の電力を追加できるという。これは市販EVの中で最も速い部類に入る。また、350kW急速充電器を使用すると10~80%の充電がわずか20分で完了し、約5分間で120km分を補充できるとのこと。

すでに同社の充電器を導入している既存顧客には、アップグレードとしてこの充電器を提供する。

ロータス・テクノロジーのアラン・ワン副社長は、「多くの政府がネットゼロへの道のりの中で電動化に向けた投資を増やす中、信頼性の高いEV充電インフラへの需要はかつてないほど高まっています。ロータスはクラス最高の急速充電ソリューションを開発し、お客様のニーズを満たす迅速かつ信頼性の高い充電体験を提供しています」と述べている。

同社によると、英国の自動車ユーザーの80%が信頼性の低い充電インフラのためにEVの購入を躊躇しており、この充電器はそうしたニーズに応えるために生まれたものだという。

中国ではすでに稼働しており、2024年第2四半期には欧州での発売が計画されている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    英国編集部。英グラスゴー大学を卒業後、モータージャーナリストを志しロンドンに移住。2022年からAUTOCARでニュース記事を担当する傍ら、SEO対策やSNSなど幅広い経験を積んでいる。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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