ポルシェ356の暖機運転について

佐藤自動車工業所の佐藤です。
エンジンを始動して一定回転に上げて30秒以上経過して、アイドリングでエンジンが停まらなくなれば、356を運転しましょう。
前世紀からの大きな鉄の塊で、しかも大量の水が入っているエンジンは、そりゃ、暖気運転するべきです。
ポルシェ356は、キャブにチョークが付いていないので始動時に「余分な」ガソリンを出しません。
空冷なので「変な色の液体=クーラント=有害です」を暖める必要もないので、すぐに走っちゃいましょう。
それだけでも356は他の旧車とは大違いで速いんです。

とはいっても、いきなり全開はダメです。
アクセルペダルの踏み代でいえば半分以内で、しかもゆっくりと踏み込む運転です。
これで充分に交通の流れに乗れるはずですが、こういう運転でプスプスしている356は不調ですから整備しましょうね。
おおむね3000回転以内を目安に動きだしましょう。
自宅近辺の路地は2速程度、大きな道路に出ても3速まで、左側の流れに乗る程度で運転します。
油温計の針がある程度動くまでは慎重にし、それから少し踏み込みを強くしてゆきます。
が、いつもの油温になるまでは、床まで踏む全開は禁止です。

飛ばさない理由は、冷えているエンジンに大きな負荷をかけないことですが、その他にも理由があります。
スパークプラグが冷間からホットになって、スタート時のカーボンが飛ぶのは通常運転で20分かかります。
エンジンオイルが充分にホットになるには空冷356でも、やはり20分以上。
アイドリングの暖気運転でこれだけ時間をかけるわけにはいかず、ガソリンもムダ使いになります。
また、エンジンの調整不良があるとスパークプラグは溶けます!
写真はプラグ汚れの典型的な例です。理由がわからずにプラグだけ替えても再度汚れることがありますのでご注意。

エンジン暖めても、ミッションオイルはわずかに暖かい程度ですから、これは運転しないと暖気できません。
ホイール内部にあるベアリングは、走らさない限り温まってくれません。
タイヤも当然温まったグリップの良い状態には程遠い状態にあります。
サスペンションのグリスも、走ってアームを動かさないと冷たく固いいままです。
下回りの各所に使われているシャシーグリスと呼ばれる「グリス」は、暖かくなると「溶け出して」給油をずっとしてくれます。
そのかわり、冷えていると溶けないので、一部しか給油しない性質があります。
そのため下回りのベアリングなどは、初期にはゆっくりと荷重をかけてグリスが溶けて給油が始まるのを待ってあげる必要があるのです。
ミッションオイルもグリスほどではありませんが、とても硬いオイルです。
動き出してすぐにガチャガチャとギアを変速すると、ろくなことが起きないので注意が必要です。
佐藤自動車工業所
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