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ポルシェ356の正しいクラッチ操作は

ポルシェのエンジンは一般車のエンジンと違い、回転上昇が「とても速い」ので注意が必要です。 
特にナローの911では極端といえるシャープさがありますので、独自のクラッチ操作が必要です。
一般的なアクセルを踏み込みながらスタートをすると、回転が上がりすぎてしまいます。
2000回転から4000回転でクラッチをつなぐ状態になり、クラッチ板がすぐに減ってしまいます。
そのため短期間で交換することになります。
経済の法則からするとショップ的には少し嬉しいかも。

ポルシェの正しいクラッチミートは以下のような手順で行います。
アクセルペダルを踏まず、アイドリングのままクラッチペダルを踏む足の力を緩めます。
数センチ戻すと内部でクラッチ板が接触する感覚が伝わってきます。
これはエンジン音が下がるのと、タイヤが動く感覚でわずかにわかる程度で、ペダルの足の方がわかりやすいかも。
さらに1cm(内部では1mm以下)程度ペダルを戻すと、今度ははっきりと音の低下とタイヤの動きがわかります。
これが半クラッチ状態で、この位置がポイントです。

そのまま、半クラッチ状態でペダルを戻すのを一時停止します。
クラッチ板の摩擦がおこり、車は微妙に動きだしますから「ソフトに」クラッチペダルを戻します。
時間的には1秒~2秒程度です。ペダルを戻して「い~ち」で半クラッチ、「に~」でわずかな動き出しです。
ペダルを完全に離せば、356はアイドリングのままエンストせずに走り出します。
ちなみに、アイドリング時の速度は時速6km/h程度で、渋滞時でも使えます。
アイドリングのままですので、燃料をムダに使わないエコ運転にもなります。
もちろんオーバーヒートはしません。

アクセルを踏まずにスタートさせるとクラッチ内部の摩耗は最小限にとどまります。
一番クラッチがすべらせない、焼けない、減らない動作になります。
アクセルをまったく使わない操作が会得できると、クラッチの寿命は飛躍的に伸びます。
記録では10万km持つ例が多数あったそうですから、皆さんも挑戦してみてはいかがでしょうか。

ペダルがフリーの状態。ギアが入っていればタイヤまでクラッチ自体の力で動力が伝わります。
構造的にはクラッチ自体のスプリングで常時動力を伝える仕組みです。
一度取り付けたクラッチプレートのスプリングは、腐り果てるまで接続する力を持っています。

ペダルを踏んでいくと数センチの踏み込みでペダルが重くなり、クラッチベアリングがスプリングを押し始めます。このときクラッチは動力が切れ始めます。この数センチの遊びは調整で作るもので、車により差があります。

完全にクラッチペダルを踏み込むと、クラッチ板を押しているスプリングが弱くなり、動力の接続が切れます。
踏み込みの奥行きもAタイプ以後の356は調整式で、あまり奥まで踏み込むとクラッチプレートのスプリングを痛めるので、きちんと調整が必要です。

私の軽い! 体重ではびくともしないナロー911のクラッチプレートのスプリング。
これがクラッチペダルの力なら軽々と押せます。

佐藤自動車工業所

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TEL:03-3651-1841 FAX:03-3652-5057
営業時間:9:00〜18:30 定休日:第2土曜日・祝祭日(休日に営業する場合もあり)
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