まだまだ頑張る現役編集長の奮闘録

2016.08.16

今後のオークション価格はどうなるのか?

 
今年の8月11日で満67歳になってしまった。正直、最近はゴルフの飛距離は落ちるし、サーキットのラップタイムはどんどん長くなるし、疲れ易いし、で少しも良いことはないのだが、唯一、良いことといえば、長年の経験からか、物事の先行きが少しだけ読めるようになったことぐらいだろうか。

今は、株式会社ACJマガジンズの社長と、AUTOCAR DIGITALの編集長、そして実家の山梨県甲府 湯村温泉にある常磐ホテルの社長として働いている。どれも手を抜くことができない立場なので、なかなかしんどいが、自分が選んだ道なので頑張るしかない。

5年前に、それまでずっと書いていたブログを一旦やめてFacebookに切り替えたが、短い文章では、どうも私の思いをなかなか伝えられず、フラストレーションが溜まるばかりだったので、これから、再度、私の周囲に起こる出来事や、それにたいする思いなどをこの場でつれづれなるままに記してゆこうと思う。その第一弾としては、最近のオークションの話題から。

オークション価格の暴落は続くのか?

 
今年に入り、世界のあちこちで開催されているクラシックカーのオークションの落札価格がかなり落ちている。ということは成約率も下がり、ひところの70〜80%台の成約率は夢のようで、50%台に低迷してしまっている。この切っ掛けは昨年8月の中国の景気悪化で、これを境に開催されるオークションの成約価格は軒並みじわじわと下がり、ごく最近のボナムス・グッドウッド、アールキュリアル・ル・マン・クラシック、RMサザビーズ・モーターシティまで、ずっと下がり続けている。ではどんな車両が下がっているのかというと、元々、生産台数が多かったり、それほど人気は無かったが、その前後のモデルや、上級車種の人気に引きずられて高騰していたものが、幾らなんでも、もう少し安価でも良いのでは、と思われて下がっているのだ。もっと冷静に判断すれば、オークションバブルは既に終焉になっていて、お囃子の役目をしていた、バブルマネーが殆ど退いてしまった、ということなのだろう。そうなれば、本当に価値のある本物、例えば、フェラーリのコンペテション・モデルなどを除けば、一気に価格が下がるのは当然だ。

 

 
例えば、フェラーリでも、テスタロッサは、2000万円を超える価格まで上がっていたが、今は1000〜1300万円である。デイトナも1億円を超える価格までいったが、現在は6000万円台でも落札されない。ポルシェもナローの911Sはともかく911Tでは人気がなく、700万円程度で落札されている。ここで注意しなければならないのは、オークションの落札価格はあくまでも、表面価格であって、実際に販売者の手元に残るのは10〜20%の手数料を差し引いた金額なのである。そして更に気をつけなければいけないのは為替で、昨年の8月のレートは1$=122円だったものが、現在では101円近辺まで円高が進んでしまっている。これらを全て考慮すれば、昨年の8月を境に、ドラスティックに全ての環境が変貌しているのが理解できるだろう。

さて、問題は今週末に開催されるモントレーのオークションである。このオークションの落札価格の動向によって、この秋から来年春までの価格動向が明確にわかるのだ。更に相場が下がるような情況になれば、久々に日本人にとって、買い相場となるかもしれない。

 
 

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