ホンダ・フリード/フリード・プラス

公開 : 2016.09.16 02:40

ボディ&シャシー

積めるとおもったものがクルマに入らない。それは、久しぶりに着てみたズボンのチャックが閉められないのとよく似ている。なんともみっともない瞬間だ。

娘の自転車、妻のスーツケース、ニトリのタンスだってフリードには入るだろう。しかし、押し込んだは良いがまともに走らないのでは困ってしまう。

そこで新型は、多人数乗車や、かさばる積載物をのせても運動性能が大きく変わらないシャシーに仕上げられている。

リア・サスペンションは、締結点の追加やブラケットの板厚アップ、アーム断面の拡大などにより高速道路における車線変更の安定感を高めた。

さらには、ロール剛性をフロント寄りにし、重心高を先代比で約8mm下げることでコーナリング性能と挙動の安定化を図っている。車両重量はハイブリッド車が1400kgから1490kg、ガソリン車が1340kgから1420kgだ。

ホイールは、ハイブリッド/ガソリン車にそれぞれ新デザインのキャップを用意。ハイブリッド車については、外周に近い部分の穴をふさぎ空力と燃費性能に寄与するデザインとした。

ボディは、3列仕様のガソリン車をベース骨格とし、ひとつのストラクチャーで他の仕様にも対応できるマルチ・シェル骨格をあみ出した。ハイブリッド車では専用フロアに、2列仕様や福祉車両では低床フロアに変更するだけでバリエーション展開が可能になっている。

またハイブリッド車では、特に床下のパワーユニットを保護するクロスメンバーを追加し、側面衝突時のリスクを減らした。シャシーの安全性能も高めたのだから、ホンダ車ならではの安全装備についても確認しておこう。

装備

フリードのグレード構成は、ハイブリッド車がB、Gホンダ・センシング、EX。ガソリン車がB、G、Gホンダ・センシングという構成だ。

ミリ波レーダーと単眼カメラで、車両前方の状況を認識し事故回避するホンダ・センシングは、Gホンダ・センシングとEXに標準装備される。その機能は、衝突軽減ブレーキ、歩行者事故低減ステアリング、アダプティブ・クルーズコントロール、車線維持支援システム、路外逸脱抑制機能、誤発信抑制機能、先行車発進お知らせ機能、標識認識機能と盛りだくさんだ。

インフォテインメント・システムは、Apple CarPlayに対応し、スマートフォンで目的地を設定しルート案内できるなど利便性が増している。また、ホンダ・インターナビは新機能が追加され、料金情報や音声ガイド音源など、サーバにある最新のルート情報を取り入れ可能となっただけでなく、立ち寄り履歴機能などを充実させた。

室内ではルームミラー上部に運転席から乗員を見渡せる室内確認用ミラーを装備。少ない視線移動で後席に座る人たちのようすを確認できるほか、左右の巻き込み確認にも貢献する。

またフリード・プラス専用装備となるが、ラゲッジスペースを2段に分割できるユーティリティ・ボードは、汚れものを分けて収納するときなどに役立つだろう。さらには、荷室左右のサイドライニングにM6ボルドを取り付けられるナットを10ヶ所に設定。ディーラーオプションのスライドレール・システムやフックの取り付けにより、様々な用途に応じてアレンジできる。

外装色は全車種に9色のカラーを用意。インテリアは、フリードがモカ、ベージュ、ブラックとナチュラルなシートとインパネの組み合わせを選択でき、フリード・プラスはブラックを中心にしたモノトーン基調を選べる。

価格はフリードのハイブリッド・モデルが2,256,000円から2,728,200円、ガソリン・モデルが1,880,000円から2,332,200円。フリード・プラスのハイブリッド・モデルが2,276,000円から2,748,200円、ガソリン・モデルが1,900,000円から2,352,200円。


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