規模デカすぎ…! 希少車から改造車まで「スポーツカー」800台が大集合 マスタング60周年記念イベント、英国

公開 : 2024.04.23 06:05

米国文化を象徴するスポーツカー、フォード・マスタングの誕生60周年記念イベントが4月13日に英国で開催された。初代ファストバックから最新モデル、奇抜なドリフト車まで個性豊かな800台が集まった。

マスタングに馴染みの薄い英国、まさかの大盛況

どの国にも、その国を象徴するようなクルマがある。ミニ、フォルクスワーゲンビートルフィアット500ルノー5……それぞれ生まれた地の歴史や伝統と深く結びついており、非常に長く販売されているものもある。

米国にも象徴的なクルマがいくつかあるが、「アメリカーナ」を体現するものとして最も誇り高いのは間違いなくフォード・マスタングだろう。手頃な価格、デザイン、性能の融合により米国国内、そして世界で最も売れているスポーツカーの1つとなった。

4月13日に英国で開催された「マスタング・デー」
4月13日に英国で開催された「マスタング・デー」    AUTOCAR

しかし、そんなマスタングでも馴染みの薄い地域がある。意外かもしれないが、例えば英国では正規販売が始まってからまだ7年しか経っていない。まさか、そのような地域でも熱狂的なファンが多くいるとは予想もしなかった。

4月13日、英国の自動車博物館ブリティッシュ・モーター・ミュージアムでマスタングの誕生60周年を祝うイベント「マスタング・デー」が開催されたが、ここになんと約800台ものマスタングが集まったのだ。

初代ファストバックから最新モデル、ドリフト車まで

イベントではさまざまな車両が展示され、マスタング・コミュニティの包容力と受容性を物語っていた。それは明らかにマスタングの特別な魅力を反映したものだ。

使い古しのようなボロボロの塗装が施された「おじいちゃん仕様」や地面を擦るドリフトマシン、博物館所蔵のピカピカの新車(未使用らしい)、弾痕ステッカーや有名な漫画キャラクターで飾られたコミカルな改造車などが肩を並べて停まっていた。

4月13日に英国で開催された「マスタング・デー」
4月13日に英国で開催された「マスタング・デー」    AUTOCAR

また、1980年代のフォックス・ボディ(プラットフォームの名称からこのように呼ばれる)やSN95など、あまり人気のないモデルも多く展示されていた。ピントをベースとする悪名高いマスタングII(1970年代後半の米国の「マレーズ」時代を象徴するモデル)もあった。

イベントの主役となったのは、英国での正式発売を数週間後に控えた新世代のS650マスタングだ。その脇には完璧にレストアされた1966年型と、新車登録されたばかりのマッハE(EV)が並んでおり、どちらも老若男女のエンスージアストから大きな注目を集めていた。筆者は、見慣れたマッハEにいささか安心感を覚えた。

マッハEは2020年の発売以来、マスタングの家系図にふさわしいどうかについて多くの議論がなされてきた。EVでありSUVでもあるマッハEは果たして「マスタング」の名に値するのか、と。

しかし、イベントでの表現方法と観客の受け止め方から、ついにマッハEがその仲間入りを果たしたように感じられる。これはおそらく、フォードのネーミング戦略に一定の信憑性を与えるものだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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