フェラーリによる、フェラーリのための「聖地巡礼」 488スパイダーと166インテルとともに:後編

公開 : 2017.03.05 20:47

70年を経て、166インテルと488スパイダーに通じるもの

今回の個体に積まれていたのはシングル・キャブの公道仕様で、公称値は110ps程度だが、走らせてみると、その数値がほぼ正しいであろうことを伝える感触があった。

フロントは独立懸架だが、ステアリングやブレーキのフィールは、戦前のクルマを思わせた。脚回りの精度は低く、操舵は行き先をだいたい決めた後に微調整が必要となる。

対して、乗り心地は良好。しかもインテリアは、ゴージャスなイエーガーのメーターや、フェラーリらしさに満ちたスペシャルな場所だった。

パワートレインは格別だ。

フェラーリの価格はエンジン代で、ほかはおまけだとよくいわれるのも理解できる。ただし、トランスミッションは価格のうちに入っているという印象。ギアはクロスレシオの5段で、小排気量エンジンとのマッチングはパーフェクト。

12個のピストンの小ささを考えると、それなりのレスポンスを得るには、各ギアともレッドラインの6000rpm付近まで回す必要があると予想していたが、実際には不思議なくらいトルキーで、それが4500rpm付近で得られるのだ。

変速はスローだが精確で、エンジンはこれまでに触れた何ものにも負けないくらいスムースで個性的。1940年代当時であれば、宇宙船にでも見えたに違いない。

 
 

フェラーリのデザインは70年で驚くほど変化し、この2台の共通項を見つけるのはむずかしい。一方で、性格に関してはまた別の話だ。

どんなクルマやブランドより、フェラーリはシンプルでうれしくなるような走りを備えており、そのクルマ造りの基本的な方向性は、ブランド初のクルマでも最新モデルでも変わっていなかった。

望むらくは、70年先のクルマ好きが、今のわれわれと同じ感想を持てることである。

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