F1エンジン搭載ポルシェ 「1万rpm」まで回る軽量911ターボ 公道OKな最新レストモッド

公開 : 2024.06.11 06:05

ポルシェの930型911ターボをベースとするレストモッド車両が公開。1980年代のF1用1.5L V6ツインターボを搭載して625馬力を発生。今年7月に実車が披露される予定だ。

625馬力の1.5L V6ツインターボ搭載

クラシックなポルシェにF1用エンジンを搭載したレストモッド車両が公開された。公道走行用に改良が施され、3台が生産される予定だ。

英国のエンジニアリング会社ランザンテ(Lanzante)は、930型911ターボをベースとする新作のレストモッド「TAGチャンピオンシップ」の仕様を明らかにし、実車を7月開催のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで発表予定とした。

ランザンテが公開した「TAGチャンピオンシップ」。実車公開は7月を予定
ランザンテが公開した「TAGチャンピオンシップ」。実車公開は7月を予定    ランザンテ

最大の特徴として、1984年から1986年にかけてマクラーレンF1チームを3年連続でドライバーズチャンピオンに押し上げた、ポルシェ開発によるTAGブランドの1.5L V6ツインターボを搭載する。

コスワースによって公道走行用に改良され、ピストン、コンロッド、バルブを入れ替えるなど内部構造を見直したほか、冷却性能の向上、チタニウム製ターボチャージャーの軽量化などさまざまな変更が加えられている。

この改良により、エンジン最高出力は従来の510psから625psにパワーアップし、最大回転数1万250rpmを達成する。

993型911の6速トランスミッションの改良版を組み合わせ、専用のギア比設定によって最高速度は320km/hに達すると謳われている。

シャシーも強化されており、ボディパネルの多くが「フォーミュラ1グレード」のカーボンファイバー製パネルとなる。

パワーウィンドウや電動ミラーを含め、ほとんどすべての装飾が省かれ、剛性と防護性能を高めるためにロールケージが装着されている。また、もともと装備されていたレザーシートはレカロ製バケットシートに交換される。

こうした変更の結果、オリジナルから400kg以上の軽量化が実現し、乾燥重量はわずか920kgとなった。

18インチホイールのデザインはマクラーレンのF1マシン「MP4/2」に装着されたホイールを反映したもの。これにフロント235mm、リア275mm幅のミシュラン・パイロットスポーツ4タイヤが装着される。

MP4/2が獲得した3つのF1ドライバーズタイトルにちなみ、TAGチャンピオンシップは3台のみが生産される。最初の1台は、アラン・プロスト選手が1985年に着用したヘルメットのデザインをモチーフにしたカラーリングが施される。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

関連テーマ

おすすめ記事

 

ポルシェ 911の人気画像