米ジャンクヤードで見つけた「廃車」 40選 前編 朽ちた名車の味わい

公開 : 2024.05.18 18:05

米アイオワ州アリソンのジャンクヤード「ロンズ・オート・サルベージ」を巡る写真ツアー。時間の流れを感じさせ、さまざまな物語を想像させる “廃車” を堪能する。

巨大ジャンクヤード探索記

米アイオワ州アリソンのジャンクヤード「ロンズ・オート・サルベージ(Ron’s Auto Salvage)」の事務所には、額装された航空写真が飾られている。そこには野原に駐車された何百台ものクルマが写っている。

少なくとも30年以上前に撮影されたものと思われる。野原は森に変わってしまっているからだ。取材班はこのジャンクヤードを探索させてもらい、1930年代から2000年代まで数多くのクラシックカーを発掘した。

事務所近くに置かれたフォードのトラック。ガーデニングの一部となっている。
事務所近くに置かれたフォードのトラック。ガーデニングの一部となっている。    AUTOCAR

ここにあるクルマは、レストアや部品取りの対象として、あるいはスクラップ候補として静かに余生を送っている。ヤードへの立ち入りは完全予約制となっているため、もし興味があればアイオワに向かう前に必ずロンズ・オート・サルベージに連絡を取ってほしい。

ちなみに、1枚目の1938/1939年型のフォード製トラックは庭の立派なオーナメントになっており、道路脇からも見える。

フォード・マスタング

ロンズ・オート・サルベージには実にさまざまな車種があるが、中でもフォードが集中しているようだ。木陰で草を食む野生のマスタングの群れを見つけた。あまり健康そうには見えないし、道路を駆けていた時代はとうに過ぎている。

フォード・マスタング
フォード・マスタング

マーキュリー・パークレーン – 1966年

1965年、マーキュリー・パークレーンは同時代のリンカーン・コンチネンタルを真似て、特徴的なサイドキャラクターを与えられた。このデザインは写真の1966年のモデルまで受け継がれた。定価3460ドルの4ドア・ハードトップセダンで、1万9204台が販売され、パークレーンシリーズの中で最も売れたボディスタイルである。

マーキュリー・パークレーン - 1966年
マーキュリー・パークレーン – 1966年

フォード・フェアレーン – 1967年

木の下に車を駐車するのは、決してお勧めできない。落ち葉が隙間にたまり、太陽が樹冠に遮られるため湿った状態が続き、恐ろしい錆の温床となる。今のところ、この1967年型フォード・フェアレーンはあまり腐食せずに済んでいるが、それも時間の問題だ。

フォード・フェアレーン - 1967年
フォード・フェアレーン – 1967年

ビュイック・エレクトラ – 1969年

1959年にロードマスターに代わってビュイックのフラッグシップモデルとなったエレクトラ。全6世代が存在し、1990年まで生産が続いた。

これは1969年式(3代目)のエレクトラ225で、鮮明なサイドラインが特徴。また、初めて「ベントレス」と呼ばれるウィンドウが採用されたが、これは前席の換気用の開閉式三角窓を廃したデザインのこと。4ドア・ハードトップセダンは1万6000台近く生産されたが、現在ジャンクヤードに残っているものはほとんどない。この1台には、素晴らしいパーツがたくさんある。

ビュイック・エレクトラ - 1969年
ビュイック・エレクトラ – 1969年

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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