今回のテストでは240psの2.0ℓガソリン版も試したが、こちらにも驚かされた。2000rpm以下だというのに、おっと驚くほどのパンチなのだ。そこから高速域まで静かなまま力強く回る様は、絶対に試す価値がある。

インテリアは、きらりと光るクロームやステッチ入りのレザー、深みのあるグロス仕上げやアルミニウムの使い分けが目を引く。新型のインフォテインメントが鎮座するダッシュボードも整頓が行き届いている。

インコントロールと呼ばれる新型インフォテインメントのグラフィックにはメリハリがあり、いかにもモダンな印象をもたらしている。反応の素早さも然り、スマートフォンさながらの使用感覚は先代を大きく凌ぐ。

フロント・シート周辺のスペースは、コンパクト・エグゼクティブ・サルーンであることが信じられないほど広大な一方、リアのレッグルームはBMW 3シリーズのスペースとほとんど同じといったところ。

ヘッドルームとショルダー周りは3シリーズよりもタイトに感じるが、その分、トランクの容量は、このクラスのクルマを求める層の多くが満足できるはずだ。40:20:
40で折りたためるシートのおかげで柔軟性も高い。

■「買い」か?

このクラスに関しては、買わない理由を見つける方が難しい。それくらいに、長距離クルージングと、峠での身のこなしが絶妙にバランスされているのだ。

競争力の高い価格と、決していやな思いをしないリセール価格、CO2エミッションを考えると、社用車としての購入も十分な考慮に値する。

ジャガーはこれまで ”ドイツ3強に負けないクルマづくり” と目的としていたが、これからは ”4強のいちメーカーとして名を馳せる” ことを目指していくのだろう。

(ジョン・マキロイ)

ジャガーXE

価格	£33,025(594万円)
最高速度	229km/h
0-100km/h加速	7.4秒
燃費	23.8km/ℓ
CO2排出量	109g/km
乾燥重量	1565kg
エンジン	直列4気筒1999ccターボ・ディーゼル
最高出力	181ps/4000rpm
最大トルク	43.8kg-m/1750-2500rpm
ギアボックス	8速オートマティック