大太鼓の連打のような音は、レッド・ゾーンのはじまる7300rpmまでつづく。もしマニュアル・モードにすれば、あなたの右手を引く瞬間まで、ギアは変速せずにホールドしつづける。

残念なのが8速オートマティックの仕事だ。1速は早いタイミングで変速するようセットされているが、たとえばモーターウェイの合流などでアクセルを踏みこむと、反応までに明らかな躊躇いがある。

パドルで操作すると、時に反応はおっとりしており、それ以外はアグレッシブに変速する。アクセルの踏力に左右されているようだ。

逆にダウン・シフトする場合は、時々「そうこなくちゃ!」と思える気持ちのいい反応をしてくれるのだが、この場合も、時に変速に動揺しているのわかる。

‘G AI-SHIFT’ ギアボックスは、車体にもたらされるGとアクセル踏力によって適切なギアを選んでくれるというものだが、単に神経質な機構に感じる。エンジンのキャラクターが立っているだけに、一般的なATの方がいいのではと思う。