ポルシェ 911 GT2 新車当時の評価は? 回顧録 前編

公開 : 2018.04.14 09:10  更新 : 2018.04.14 09:18

逆転の発想で獲得したプラス50ps

代わりに注力されたのは、呼吸を徹底的にスムーズにする作業だった。それによって50psの出力向上と、普通のターボがまったくピーキーに思えてしまうようなフラットなトルク特性が得られたわけだ。997ターボを今までに存分に運転した経験がある幸運な人であれば、今回GT2で達成された成果がどれだけ偉大なのかを身に染みて理解できるかもしれない。

それにしても、すでに驚異的限界に達していると思われていたエンジンにさらに50psも上乗せする目標を、吸排気系だけの改良で本当に実現してしまうとは、いったいどんな細工を施したのだろうか。間違いなくいえるのは、口でいうほど単純なものではないということだ。

ターボそのものがより高スペックな品に替えられているのはいうにおよばず、可能な限り低い回転域から可能な限り多くの空気をエンジンに押し込めるようにインテークマニホールドも交換されるなど、とにかくあらゆる手段が駆使されている。

新たに採用された「エクスパンション」インテークマニホールドは、従来は圧縮された状態で燃焼室に送られていた吸気を、膨張した状態で送り込むという逆転の発想から生み出されたものだ。コンプレッサーで圧縮された吸気をこのマニホールド内で膨張させて温度を下げ、燃焼効率を高めるのが基本理論だ。

反面、膨張には酸素密度を低下させる副作用があるが、それは過給圧を1.0バールから1.4バールに上げることで補った。結果、この機構によって低回転域でのレスポンスが向上し、全回転域でより反応の速い加速が得られるようになったとポルシェは述べている。

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