メルセデス・ベンツC63 AMGクーペ

生産：2011〜2015年　価格：2万3000〜3万7000ポンド（332〜534万円）

客観的にみれば、現行型のメルセデス-AMG C63はあらゆる点で先代よりもすぐれている。とはいえだいじなのはそれだけではなく、主観的にみれば結果は逆になる。

先代なによりの魅力、それはガツンとくるM156型6.2ℓ自然吸気V8エンジンだ。たくましくトルクフル、エンジンブロックの中で激しく上下するのがピストンではなく大金づちだと勘ちがいするくらい、リミットまでドラマチックにまわる。

W204型C63のなかでも、クーペのスタイルは最高だ。なかでも特別バーションのエディション507はほんとうにすばらしい―首がもっていかれるほど強烈なブラックシリーズのことはいまは置いておこう―。だが、いま507を手にいれようとすると通常版C63クーペのほぼ倍、4万2000ポンド（606万円）も出さないといけない。

ふだんの維持費をのぞけば―燃費はせいぜい6km/ℓだ―それほど敬遠したくなる要素はない。後側のシリンダーヘッドボルトが腐食・破損したり、バルブリフターが異音からこれまた破損するケースはあるが、いずれもまれだ。

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