最高のエンジンを持つクルマたち 後編

公開 : 2018.07.01 06:10  更新 : 2019.05.04 13:03

引き続き、名機を積んだクルマを紹介します。前編では、アルファ、アストン、VWやマツダのロータリーをご紹介しました。後編ではフェラーリはもちろんのこと、メルセデス-AMG、アウディRS、BMW Mなどのドイツ御三家が登場します。

もくじ

ヴォグゾール・モナロ
BMW M5 (E60型)
メルセデス・ベンツC63 AMGクーペ
アウディRS4(B7型)
BMW M3(E46型)
ホンダS2000
フェラーリF355

ヴォグゾール・モナロ

生産:2004〜2007年 価格:6500〜1万5000ポンド(94〜216万円)

シボレーのスモールブロックV8は自動車界では希有な存在だ。ファッション界における小さな黒のドレスのように、長くつづく伝統様式といえる。1955年から2003年にかけ、あわせて1億台にのぼるスモールブロックV8がレースカー、スポーツカー、セダン、SUV、トラック、ホットロッドにくわえてまあちょっとくらいは自宅改造車にも載せられてきた。マッスルカーブームに火をつけたエンジンで、アメリカ人がV8を愛するゆえんだ。

たしかにその息の長さ、用途の幅広さ、エンスージャストの支持をかんがえれば、このスモールブロックこそが歴史上もっとも重要な内燃機関といっても過言ではないだろう。

スモールブロックはさまざまな排気量や出力の機種がつくられたが、エンジンブロックの基本設計は48年間かわらなかった。英国でトラブルに悩まされることなくスモールブロック搭載車に乗りたいなら、ヴォグゾール・モナロが筆頭になるだろう。オーストラリアにあるホールデンのバッジエンジニアリング版だ。

搭載するエンジンは厳密にはシボレーのスモールブロック原型ではなく、直系のLSエンジンだ(これもスモールブロックの一員とされてはいる)。英国デビューは2004年で、エンジンは333psの5.7ℓと381psの6.0ℓが用意された。たくましいまでの大排気量をほこるV8だが、ひじょうに高いギア比のせいでときにそれほどのパワーを感じられないこともある。とはいえ、雷鳴のようなV8サウンドといとも簡単にリアタイヤを空転させるトルクを体感すれば、正真正銘のマッスルカーだとだれもがおもうにちがいない。

モナロの総アルミ製エンジンじたいはひじょうに頑丈のようだが、雨がおおく冬には凍結防止の塩がまかれる英国ではサビにご注意。見かけることはまれでそうそう売りにもあがってこないが、5.7ℓ車は6500ポンド(94万円)から見つかる。自動車民俗学のいっぱしを担うクルマとしては、超お買い得といえるだろう。