メルセデス・ベンツGLC燃料電池車「Fセル」試乗 高い完成度とEVにはない実用性

公開 : 2018.10.24 11:21  更新 : 2018.10.24 11:21

メルセデス・ベンツGLCをベースに発売した燃料電池車、GLC Fセルに試乗しました。EVならではのゼロエミッションを実現しながら、バッテリー充電時間に縛られない実用性が魅力です。今回の試乗を通して、水素燃料技術の可能性を再確認しました。

もくじ

どんなクルマ?
ゼロエミッションと短い補給時間を両立

どんな感じ?
乗り心地良く扱いやすい

「買い」か?
英国では未発売 インフラ整備が課題

スペック
メルセデス・ベンツGLC Fセルのスペック

どんなクルマ?

ゼロエミッションと短い補給時間を両立

メルセデス・ベンツGLC Fセルは一見普通の外観ながら、水素燃料電池を搭載した電気自動車だ。燃料電池はどうしてもかさばり、実用性が犠牲にして搭載されることも多い。しかし、メルセデスが新規開発したシステムはGLCのエンジンベイに収まるほどのコンパクトさで、従来の内燃機関と同じように搭載されている。

フロア下のカーボン製タンクに搭載される4.4kgの液体水素は燃料電池のエネルギー源として用いられ、そこに蓄えられた電気を使ってモーターを駆動する。それとは別に13.5kWhのバッテリーも搭載されており、こちらでもモーターを駆動することができる。メルセデスによれば、満タン、満充電時の航続距離は483kmだという。

ガソリン車やディーゼル車と比べるとまだまだ不足しているが、少なくともジャガーIペースやテスラモデルSといったハイエンドなバッテリー搭載車とは同等だ。さらに、水素燃料車なら家庭で何時間も充電する必要はなく、3分もあればタンクをいっぱいにすることができる。

つまり水素自動車なら、ゼロ・エミッションというEVのメリットを享受しつつ、長い充電時間というデメリットを気にする必要はない。とはいえ、GLC Fセルに搭載されている13.5kWhのバッテリーを充電するには1時間半ほどかかるのだが。

GLC Fセルには4つのドライビングモードが用意されている。ハイブリッドでは燃料電池とバッテリーの両方から出力を受け、最大の航続距離を実現する。Fセルでは燃料電池のエネルギーだけを使用する。バッテリーでは、反対にバッテリーからの出力を使用し、燃料電池は使用しない。最後にチャージでは、燃料電池がバッテリーの充電に使用され、バッテリーによる航続距離を最大にする。

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