メルセデス・ベンツGLC 詳細データテスト 必要十分な走り 見栄えも実用性も良好 ひと味足りない

公開 : 2023.09.23 20:25

メルセデスの稼ぎ頭となったGLCの2代目はキープコンセプトながら、ハイブリッド化で動力性能も効率も向上するなど要所を改善。不満も際立つところも少ない優等生ですが、AMGライン仕様の英国での乗り心地は要改善です。

はじめに

GLCが2016年に初上陸した際、われわれは冗談まじりに言ったものだ。先代にあたるGLKを英国で販売しないと決定した首脳陣が、職を失っていなければラッキーだ、と。

すでにアウディQ5BMW X3ランドローバー・ディスカバリースポーツが販売されている中、GLKの右ハンドル仕様を用意しなかったのは手落ちに思えたものだ。今やGLCは、7年の間にメルセデスの稼ぎ頭に成長したのだから、急成長したミッドサイズSUV市場に、もっと早く参入しておくべきだったといえる。

テスト車:メルセデス・ベンツGLC300 4マチックAMGライン・プレミアムプラス
テスト車:メルセデス・ベンツGLC300 4マチックAMGライン・プレミアムプラス    MAX EDLESTON

しかしながら、メルセデスはその遅れを取り戻すべく本腰を入れている。第2世代のGLCは昨年発表されたが、先代から完全にキープコンセプト。このX254、パッと見では先代X253と見分けがつかないが、そこに込められたメッセージは明白だ。ユーザーに支持された部分はそのままに、新たなライバルとよりいい勝負ができるよう改良したクルマだということである。

変化は外観より、その下に隠れた部分にある。ラインナップはハイブリッドのみで、マイルド版とプラグイン版を用意。新型Cクラスと並行して開発され、オプションで後輪操舵を設定したほか、目に見えてボディ剛性が高まり、運動性改善は確実視される。

室内に目をやれば、より魅力的なマテリアルが導入されている。このクラスでも比較的豪華な部類だという、GLCの評判をさらに高めようという意図が、そこには見て取れる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

関連テーマ

おすすめ記事