「モータースポーツ」 直面する問題 英団体CEO語る、カイゼン

公開 : 2019.02.17 16:50

最近「モータースポーツUK」へと名称変更した英国のモータースポーツ統括団体CEO、ヒュー・チャンバースにインタビューしました。これからのモータースポーツ界を盛り上げるべく、参加者拡大やコスト削減に向けた取り組みなど、さまざまな改革が進められています。

もくじ

モータースポーツUK
変革が必要
課題は山積
コミュニケーションが重要
番外編:チャンバースの改革

モータースポーツUK

レーシングドライバーを夢見たことはあるだろうか? 英国では、かつてモータースポーツ・アソシエーション(MSA)と呼ばれ、今回、モータースポーツUKへと名を変えた団体が国内のモータースポーツを管理しているが、彼らが進める新たな取り組みによって、レーサーへの夢を叶える時が来たのかも知れない。

現在はヒースロー近郊に拠点を置いているものの、近く「より適した場所」への移転を計画しているモータースポーツUKでは、草の根レベルを含めたすべてのモータースポーツ活動を盛り上げるため、新たな計画の立案と実行を進めており、特にルールの簡素化とコストの問題に力を入れている。

だからと言って、全員がルイス・ハミルトンになれるわけではないが、彼らの狙いはモータースポーツへの参加者を増やすとともに、すでに参加しているひとびとがさらに楽しめるものへと環境を整えていくことにある。

こうした取り組みは、昨年、プロドライブ代表のデビッド・リチャーズが当時のMSA会長に就任するとともに、同じ年の11月に、過去10年間ヨットと自転車、さらには陸上競技の国際団体で働いてきたヒュー・チャンバースが新CEOに就いたことがきっかけで始められている。いま、チャンバースはあらゆるレベルの自動車レースに新たなガバナンスをもたらそうとしているのだ。

チャンバースとリチャーズのふたりは、2000年代中盤にホンダがブリティッシュ・アメリカン・レーシング(BAR)フォーミュラ1チームを買収したことで、チャンバースが「潮時」だとしてチームを去るまでともに働いており、いまでは、ふたりとも英国のアマチュアモータースポーツ参加者を取り巻く環境を改善すべく、全力でその任務に取り組んでいる。

「現在3万563名のライセンス保有者と、1万5000名のオフィシャル、さらに720の関連クラブがあります」とチャンバースは言う。「その結果、15万人ものコミュニティーが生まれていますが、ライセンス保有者のなかで、レースやラリーだけで生計を立てていけるのは100人未満であり、つまり、残りの2万9900人はアマチュアだということです。100人のプロは十分自立出来ていることを思えば、われわれが考えなければならないのが誰かは明らかです」

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