試乗 トヨタ新型ヤリス・プロトタイプ 内燃/ハイブリッド/内装の進化は?

公開 : 2019.11.09 00:00  更新 : 2021.10.11 13:51

トヨタ・ヤリス試作車に試乗しました。1.5Lガソリン車、1.5Lハイブリッド車を、サーキットで試します。TNGAで生まれ変わったヴィッツの印象は?

試作車、日本で試乗

text:Naoki Imao(今尾直樹)
photo:Keisuke Maeda(前田恵介)
(スペックはすべてトヨタ社内測定値)

11月4日に幕を閉じた東京モーターショーで一般公開されたトヨタの新しいコンパクト・カー、ヤリス。そのプロトタイプの試乗会が袖ヶ浦フォレストレースウェイで開かれた。

ご存じのように、ヤリスは1999年に登場したヴィッツの海外名である。トヨタは2017年からヤリスでWRC(世界ラリー選手権)に復帰しており、2019年はオィット・タナックがドライバーズ・タイトルを獲得するという快挙を成し遂げた。このようなWRCの栄光を江湖(こうこ)に伝えるためにも、名前の統一が必要だったに違いない。

千葉県の袖ヶ浦フォレストレースウェイで、新型ヤリス・プロトタイプに試乗することができた。
千葉県の袖ヶ浦フォレストレースウェイで、新型ヤリス・プロトタイプに試乗することができた。

国内では新型車、グローバルでは第4世代となる新しいヤリスの特徴は、プラットフォームから、エンジン、トランスミッション、サスペンションにいたるまで、すべて新開発だということ。

とりわけ、先進国向けコンパクト・カー用に開発されたTNGAプラットフォーム(GA-B)がカギだとされる。

その新型車ヤリス、試乗したのは1.5リッター3気筒+モーターのハイブリッド2台、同ハイブリッドのE-Four(電気式4WD)、さらに1.5リッター3気筒ガソリン車のCVTと6MT各1台の計5台である。このほか従来からのダイハツ製1リッター3気筒とCVTの組み合わせもあるけれど、今回は車両の用意がなかった。

で、5台のうち、最後に乗ったハイブリッドで、185/60の15インチ・タイヤを履くモデルがベストだと筆者は思った。新型ヤリスで開発陣がやりたかったことが最もよく表現されているのではあるまいか。以下、試乗順にそのモデルの特徴と率直な印象を記す。

1.5L ガソリン車

一番目は、1.5リッター3気筒エンジン車のCVTである。

着座してオッと思ったのは、インストゥルメント・パネルがシンプルなことだ。直径370mmから同365mmに小径化されたステアリングホイールの奥に、これまた直径が小さめの液晶表示の立体的なメーターが2個並んでいる。そのシンプルさが小型車っぽくてステキだ。

1.5Lガソリン車の内装。立体的な造形のメーターに「オッ」と感心。
1.5Lガソリン車の内装。立体的な造形のメーターに「オッ」と感心。

新開発の3気筒「ダイナミックフォースエンジン」は、基本的にレクサスUXに使われている2リッターの直噴4気筒から1気筒カットしたモジュール・ユニットで、最高出力117ps/6600rpm(開発目標値)を発揮する。これにUXと同じく、発進用のギアを持つダイレクトシフトCVTを組み合わせている。

80.5×97.6mmのロング・ストローク型直噴3気筒は先代ヴィッツの1.3リッター4気筒に比べると、トルクが30%ほど分厚い。

それ自体は排気量が大きいのだから当然として、注目すべきは極低速でもトルクが落ちないことだ。これは3気筒固有の爆発間隔から生まれる特性だそうだけれど、じつのところピットから飛び出すや、筆者の頭のなかはともかくエンジンを上まで回すことで占められ、大事なとこの確認を失念してしまった。

ロング・ストロークなので、ややゆったり回っているような感はあるけれど、4気筒のように高回転時に振動が出ることもない。たいへんスムーズで、回ることを厭わない。

これで音質がもうちょっと音楽的だったら……と思ったけれど、考えてみたら、トヨタがこの実用エンジンに求めているのは、高回転時の快音ではない。日常使用時での静粛性なのである。いささか筆者のカン混じりではあるけれど、たぶんそこはできている。

この記事に関わった人々

  • 前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)

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