意外に鋭いコーナリング 130ps仕様が追加 トヨタ・ヤリスへ英国試乗 でもオシは115ps版

公開 : 2024.04.10 19:05

モデル中期のアップデートで130ps仕様が欧州にも登場 驚くほどシャープにカーブを縫える 高めの価格でも装備は充実 適度に気持ちを刺激する走り 英国編集部が評価

モデル中期のアップデートで130ps版登場

欧州仕様のトヨタヤリスは、2024年仕様としてモデル中期のアップデートを受けた。従来より大きいインフォテインメント用タッチモニターを獲得し、新バージョンのメーター用モニターを実装。ショールームでの訴求力を高めている。

さらにハイブリッド・パワートレインには、僅かに強力な仕様が追加された。従来までは、燃費効率を追求した1.5L 3気筒ガソリンエンジンに、0.76kWhのリチウムイオン ・バッテリー、2基の電気モーターを組み合わせ、115psを発揮する1択のみだった。

トヨタ・ヤリス 1.5ハイブリッド130 プレミアエディション(英国仕様)
トヨタ・ヤリス 1.5ハイブリッド130 プレミアエディション(英国仕様)

だが、駆動用モーターの最高出力を80psから84psへ引き上げ、ソフトウエアをアップデート。トランスアクスルも改良を受けた、130psの最高出力も選べるようになっている。その結果、0-100km/h加速は115psの9.7秒から、9.2秒へ短縮している。

実際に一般道へ出てみると、130psのヤリス 1.5ハイブリッド130は、従来より確かに速い。駆動用モーターだけでの加速は勢いを増しており、低速域での速度上昇はリニアになった。

他方、高負荷時のe-CVTの振る舞いは従来と変わりない。鋭い加速を求めると、3気筒エンジンは回転数を高め、小さくないノイズを車内へ響かせる。それでも、僅かとはいえ、動力性能は上昇している。

驚くほどシャープにカーブを縫える 装備は充実

ステアリングホイールの重み付けは、このクラスとして重すぎず軽すぎず。旋回時の姿勢制御は適度に引き締まり、驚くほどシャープにカーブを縫っていける。アルミホイールは18インチも選べるが、乗り心地へ明確に影響が出てしまう。良く考えて選びたい。

ただし、130psのヤリスが欲しい場合は、それなりの予算増が必要になる。英国市場の場合、乗り心地が硬いGRスポーツか、トップグレードのプレミアエディションでしか選べないからだ。ミドルグレードのエクセルまでは、115psのみの設定となる。

トヨタ・ヤリス 1.5ハイブリッド130 プレミアエディション(英国仕様)
トヨタ・ヤリス 1.5ハイブリッド130 プレミアエディション(英国仕様)

プレミアエディションの英国価格は、2万8925ポンド(約547万円)から。このお値段は、トップグレードのフォルクスワーゲン・ポロや、ルノー・クリオ・ハイブリッドと比べると、5000ポンド(約95万円)近く高いことになる。

そのかわり、ヤリスの装備は充実している。ツートーンカラーの塗装に、8スピーカーのJBL社製サウンドシステムが付いてくる。

10.5インチのタッチモニターと、12.3インチのメーター用モニターは、エクセル・グレード以上で標準。それ以下では、タッチモニターが9.0インチへ小さくなるが、インフォテインメント・システムのソフトウエアは同様に最新で、動作は高速化した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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