4代目へ進化 アウディS8に試乗 571ps 新次元と呼べる走り 快適性も向上

公開 : 2019.11.28 09:50

パワフルなV8エンジンを搭載し、贅沢な空間に仕立てられた4代目アウディS8。メルセデスAMG S63に対抗する性能を備えつつ、アウディとしては新次元レベルの操縦性の良さも獲得しています。スペインで評価しました。

もくじ

2230kgのボディに571psのV8ツインターボ
マイルドハイブリッドと新サスペンション採用
インテリアの秀逸さはクラスを問わず
新しい足回りが叶えるこれまでにない走り
走りも快適性も新次元のS8
アウディS8のスペック

2230kgのボディに571psのV8ツインターボ

text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
アウディS8が挑戦する舞台は、自動車ビジネスでも最も戦いの厳しい場所。自動車メーカーのプライドを掛けて、最上級のリムジンを提供する必要がある。圧倒するほどの贅沢さに快適な乗り心地と、気持ちが安らぐ上品さ。目の肥えた顧客の要求は低くはない。

アウディが掲げるフラッグシップのスポーツ仕様の場合、それに加えてスーパーカー級の高性能も求められている。プレミアム・ブランドのライバルモデルを凌駕する、ドライバーが積極的に操る喜びも期待されてくる。

アウディS8
アウディS8

これらのすべてを全長5m以上、車重2230kgのボディに収める必要がある。従来までのS8でも達成を目指した内容ではあったが、ハイエンドモデルの競争で高い成功を収めることはできなかった。

新しくなったS8は、驚くほどの仕上りを得てきた。エンジンは改良を受けた4.0LのV8ツインターボ・ガソリンで、マイルド・ハイブリッドを搭載。アウディ最新のサスペンションが足元を支えている。

ただし最高出力は571psで、第3世代のS8と比べると、エンジンは基本的に同じものながら34psほど目減り。そのかわり最大1.8barに高まるターボブーストの力を借りて、最大トルクは5.1kg-m向上。2000〜4500rpmで81.4kg-mを発生する。

プレミアムライバルで比較してみると、マイナーチェンジを受けたBMW M750i xドライブが搭載するのは4.4LのV8ツインターボで、最高出力530ps、最大トルク76.3kg-m。メルセデスAMGのS63は、4.0LのV8ツインターボで、最高出力611ps、最大トルク91.6kg-mとなる。

マイルドハイブリッドと新サスペンション採用

S8の増強されたパワーは、マニュアル変速もできるティプトロニック機能付き8速ATへ伝達。4輪駆動システム、クワトロには、後輪左右へ伝達されるトルクを必要に応じて変化させる、スポーツ・ディファレンシャルも装備する。

リアタイヤには最大で85%のトルクが伝えられる。一方で、必要に応じて最大70%のトルクをフロントタイヤへ送ることも可能だ。

アウディS8
アウディS8

アウディが新しいS8で強調するのがエネルギー効率の高さ。都市部など軽負荷時には、V8エンジンの片側4気筒を休止させる、シリンダー・オンデマンドと呼ばれるシステムを採用した。

0.47kWhと容量は小さいがリチウムイオンバッテリーも搭載し、電圧48Vのスターター・ジェネレーターによって最大で8kWのエネルギーを回生するマイルド・ハイブリッドも組み合わされる。これらによって燃費は最大で0.07km/L伸ばせるとしている。

技術的には思慮されているものの、結果は伸びていない。先代の燃費は10.4km/Lだったのに対し、新しいS8は8.7km/Lに留まる。二酸化炭素の排出量も、260g/kmと少なくない。

快適性とスポーティさを両立させているのが、新しいサスペンション。プレディクティブ(予測型)アクティブ・サスペンションと呼ばれるもので、カメラを用いて路面をスキャニングし、アクチュエータによって車高を常に調整するもの。

路面状態によって4輪を個別に、負荷を与えたり逃したり、といった制御が可能になる。コンフォート+モードでは、コーナリング時に車体を傾けて横方向の遠心力を弱める。ダイナミックモードでは、標準的なスプリング製のサスペンションの半分にまでボディロールを減らすことができるという。

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