【試乗 5MT車】コペンGRスポーツ ダイハツとガズーのコラボ、その走り/価格を評価

公開 : 2019.12.31 09:35  更新 : 2021.12.09 23:14

ガズーレーシングとのコラボで誕生した「コペンGRスポーツ」。高いボディ剛性と、足まわりの強化。243.5万円の価値はあるのでしょうか?

どんなクルマ?

text:Tomoyuki Shimada(嶋田智之)
photo:Masanobu Ikenohira(池之平昌信)

“GR”の名前は、今やトヨタ直系のスポーツブランドとして世界中で知られているといっていいだろう。

GRとは“GAZOO Racing(ガズーレーシング)”の象徴的な略称。その元になったトヨタ・カズー・レーシングの、ル・マンをはじめとする世界耐久選手権や世界ラリー選手権といった、モータースポーツのトップカテゴリーでの活躍がそれを可能にしたのだ。

コペンGRスポーツ
コペンGRスポーツ

いうまでもなくGRブランドは、そのモータースポーツの分野で培った多岐にわたる技術をふんだんに盛り込んだクルマ作りを旨として、フルチューンの究極存在といえる“GRMN”、量産の本格スポーツモデルである“GR”、市販車をベースに味つけを整え直した“GRスポーツ”、そしてアフターパーツとしての“GRパーツ”といった展開を行っている。

が、メルセデスにとってのAMGやBMWにとってのMがそうであるように、それらは全てトヨタ車のためのものであり、メーカーの垣根を越えての展開にまで及ぶことになるとはほとんどの人が思ってもいなかったことだろう。

コペンGRスポーツは、まさしくその第1弾。まるでひと頃のアバルトを連想させるコラボレーションだが、トヨタのGRカンパニーが企画段階からデザインや味つけの部分にまで関与し、設計や開発にまつわる実際の作業はダイハツが行ったという。

ダイハツ生産 販売は両社で

生産はダイハツが行い、ダイハツの全ての販売会社と販売店、GRガレージを含むトヨタの全ての販売チャンネルを通じて販売される。

ダイハツとしては本格的なモータースポーツ活動に支えられた知見と世界観を持ったモデルをラインナップに加えて“モア・パフォーマンス”を望む声に応えることができ、トヨタとしてはこれまで空席になっていた親しみやすいライトウエイト・スポーツカーを売ることができる。お互いの望みが綺麗に一致した、ということだ。

一体感のあるデザインにより、スポーツカー然としたワイド&ローを実現している。
一体感のあるデザインにより、スポーツカー然としたワイド&ローを実現している。

GRブランドの頂点であるGRMNはあらゆるパートに手が入っているが、GRスポーツの場合はパワートレイン系には触らず、ボディやシャシー、内外装に手を加えてスポーツ性を高めるのが常だ。コペンGRスポーツも、そうした作り方がなされている。

そこだけ聞いてクルマを眺めると、専用の前後バンパーをガラッとイメージを変えたルックスが最も大きな変更点で、あとはアシを締め上げただけ? などと早とちりする人も出てきそうだ。

が、それはもう全然違う。実はコペンGRスポーツの最大のキモは見えない部分に隠れている。

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