【アフリカの悪路を3日間】ランドローバー・ディフェンダー110 Sへ試乗 前編

2020.03.28

サマリー

伝統のディフェンダーという名を冠した新モデルが登場しました。期待にそぐわないオフロードの走破性を備えているのか、どんなドライビングフィールなのか、英国編集部がアフリカ・ナミビアの砂漠で徹底的に評価しました。

もくじ

タフなハイラックスが選ばれる国を3日間
SUVではなく、4x4
アルミ製のモノコックボディ
ガソリンとディーゼルだけでなくPHEV版も
古いディフェンダーの雰囲気を残す車内

タフなハイラックスが選ばれる国を3日間

text:Matt Prior(マット・プライヤー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
新しいランドローバー・ディフェンダーを、アフリカのナミビアで初試乗する。ここは人口密度が地球上で2番目に低い国。人口は250万人で、ベルギーの国土とほぼ同じ面積の国立公園が広がり、地形はどこを切り取ってもチャレンジング。

クルマといえば、堅牢なトヨタ車が選ばれるような国。新しいディフェンダーは無事に走りきれるだろうか。

ランドローバー・ディフェンダー110 S(英国仕様)
ランドローバー・ディフェンダー110 S(英国仕様)

ナミビアであっても、首都のウィントフックへ行けばレンジローバーを目にする。国を問わず、裕福な人が選ぶモデルなのだろう。だが、モンゴルに次ぐ広さの荒野が広がる国だから、トヨタ・ハイラックスの方がヒエラルキーでは上かもしれない。

事実、新車10台中、4台はトヨタ車。以前はその割合がもっと高かった。ハイラックスの走破性と長寿命を裏付ける。ディフェンダーを試乗する土地は、他のクルマでは耐えられなかった環境だともいえる。

新しいディフェンダーが2019年に発表された。フォルクスワーゲン・ビートルのように、リニューアルが難しいクルマだったと思う。

先代のディフェンダーは独立シャシーを備えていた。1948年の方法で作られたクルマは、長いモデルライフの中でアップデートを受けていたが、1980年代にはできることが尽きていた。ユビキタス時代、多くの人が受け入れられるクルマではなくなっていた。

SUVではなく、4x4

それを横目に、ニュー・ビートルやBMWミニ、フィアット500など、象徴的なモデルがリニューアルして登場。どれも簡単な仕事ではなかったはず。

「アイコンの再発明に関して、様々なマーケティング調査を行いました。得られたすべてが真実です」 とジャガー・ランドローバー社のCCOを務めるフェリックス・ブラチュティガムは話す。かつてはポルシェに勤務し、今回の試乗に同行してくれた人物だ。

ランドローバー・ディフェンダー110 S(英国仕様)
ランドローバー・ディフェンダー110 S(英国仕様)

ガレージにはポルシェ911 GT3 RS 4.0と、最新のジャガーFタイプのMT車が納まっている。きっと読者も好きなタイプの人だと思う。「端的にディフェンダーを説明するなら、秀でた能力(ケイパビリティ)でしょう。SUVではなく、4x4なのです」

筆者はあまりSUVと4x4を区別しない。ジープ・ラングラーやメルセデス・ベンツGクラス、トヨタ・ランドクルーザーなどをウェブで見ると、いずれも自動車メーカーはSUVに分類している。

ディフェンダーを表現するのに、SUVは適切ではないとブラチュティガムは話す。ランドローバーとしては、ディフェンダーが他にはない「本物」だと感じて欲しいのだろう。「ランドローバーは3本柱のモデル構成に戻りました」 とブラチュティガムが加える。

昔のランドローバーのように戻ったのだろうか? 筆者はそうは思はない。確かに、新しいディフェンダーは能力に優れたクルマの1台ではあるはず。

だが仮に、ランドローバーの開発がポルシェ911やホンダ・シビックのように進められてきたのなら、定期的なアップデートがあり、モデルサイクルも存在したはず。技術的な進歩も徐々に得られていたに違いない。

 
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