【2代目へモデルチェンジ】メルセデス・ベンツ新型GLA 250 ドイツで初試乗 後編

公開 : 2020.04.19 10:20

アウディQ2とBMW X2のライバルとなる、GLAが第2世代へとモデルチェンジ。新プラットフォームと4輪駆動システムを備え、上質な乗り心地とスポーティな走りも両立させています。英国編集部がドイツで評価しました。

違いを楽しめるドライブモード

text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
新しいメルセデス・ベンツGLA 250に搭載される2.0Lターボは、塊感のあるパフォーマンスを生み出してくれる。反応に優れ、低回転域でのトルクも太く、不足のない発進加速や中間加速が得られる。0-100km/h加速6.7秒という数字も、それを表している。

オンロードを走らせた印象は、選んだドライビングモードによって面白いほど変容する。従来以上に幅広い質感が楽しめ、プレミアム・クロスオーバー市場のライバルにも新たな刺激を生むことになりそうだ。

メルセデス・ベンツGLA 250 4マティック(欧州仕様)
メルセデス・ベンツGLA 250 4マティック(欧州仕様)

ドライビングモードによって、音響的な変化も楽しめる。ただしエンジンは、Q2の2.0L TSIユニットほど洗練されていたり、X2 xドライブ20iのエンジンほど滑らかではない。

コンフォート・モードでは、排気音は控え目になり、車内にはほとんど届かない。スポーツ・モードにすると、しっかりと聞き取れるように音量がアップする。

高負荷時にはザラついた音色を奏で、アクセルペダルを戻すと、くすぶるようなノイズも発する。自然な感じで、ドライバーの心を刺激してくれる。

ステアリングホイールにはシフトパドルが付き、手動でのシフトアップは即時的に完了。オートマティック・モードでは、アクセルペダルを離した際、時折スムーズさに欠けるシフトダウンを発生するようだ。特に、赤信号で減速している場合など。

ギア比の設定は煮詰められており、GLA 250 4マティックの燃費は14.4km/Lとまずまず。目立って優れているとはいいにくい。

軽快な身のこなしと、しなやかな乗り心地

電動パワーステアリングの操舵感はとても軽く、路面から伝わる感触は薄いものの、精度には優れる。車高はご三家の競合モデルの中で1番高いにも関わらず、GLA 250は良好な姿勢制御と敏捷さをあわせ持っている。

漸進的な挙動と秀逸のグリップレベルによって、素早い方向転換もお手の物。高い視点と合わさって、とても簡単に運転ができる。毎日の足としての実力は高い。

メルセデス・ベンツGLA 250 4マティック(欧州仕様)
メルセデス・ベンツGLA 250 4マティック(欧州仕様)

スプリングのストロークも充分で、オプションのアダプティブダンパーの助けもあり、乗り心地はとてもしなやか。試乗車は、選択肢として最大径となる225/45 R20という、20インチのブリジストン製タイヤを履いていたのだけれど。

タイヤが発するノイズも、しっかり車内へは遮断されている。全面的に上質さと洗練性が増したことで、長距離ドライブも一層楽しめるようになったと思う。

GLAの頭文字、Gは、ドイツ語のゲレンデ、地形を意味する。今回は、アスファルト路面だけでなく、未舗装路でもGLAを試乗することができた。

4マティックが備えるオフロード性能も、確かなものだった。ちなみに4マティックには、オフロード・エンジニアリング・パッケージと呼ばれる装備が標準装備となる。

新しいGLAは、本気のオフロードタイヤや機械式デフロックが備わらず、ジャングルの奥地やフカフカの砂漠を突き進むことは難しい。だが、新しいGLAのオーナーが遭遇する以上の、ほとんどの不整地には対応できるはず。

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