【長く好きでいられるパートナー】スズキ・ジムニー・シエラ(最終回) 長期テスト

公開 : 2020.06.21 11:50

気取らない小さな4WDは、短距離でも走りたくなる愛らしさ。この気持ちは、長期間変わらないのでしょうか。先代モデルに並ぶ実力と魅力があるのかも含めて、ジムニー・シエラを確認してきた長期テスト。今回が最終回です。

積算1万9907km このまま自分のクルマにしたい

text:Rachel Burgess(レイチェル・バージェス)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
スズキジムニー・シエラの長期テストは最終回。なんと爽快で素晴らしく、欠点があっても憎めないコンパクトカーだったのだろう。

何台ものクルマに長期テストで乗ってきたが、最もレポートが簡単だった。圧倒的に個性的で、風変わり。今までで一番、自分のクルマにしたいと感じたモデルだ。その傍らには、ベントレー・コンチネンタルGTも一緒に並べたいけれど。

スズキ・ジムニー(シエラ)1.5 SZ5 オールグリップ(英国仕様)
スズキ・ジムニー(シエラ)1.5 SZ5 オールグリップ(英国仕様)

ジムニー・シエラの担当に決まった当初は、少し不安でもあった。先代の最終モデルには乗ったことがなく、英国編集部のスタッフからは色々な反応を受けた。カッコいい、という声もあれば、大変そう、という意見もあった。

職場までの短い通勤では、ジムニー・シエラに強く惹かれることはなかった。ステアリングの感触も、進路変更時の反応も、正直悪い。

MTは変速時に他のレシオを選びたがるし、アップライト気味の運転姿勢と広いグラスエリアは、安全面で不安な気持ちにさせた。1.5Lの自然吸気ガソリンエンジンは、上質さに欠けている。

通常、多くの自動車ユーザーは、程よくバランスの取れたモデルを欲する。自動車メーカーはそれに応えるため、最善を尽くす。しかし、ジムニー・シエラはバランスの良いオールラウンダーではない。

今日のコンパクトSUVとは直接比較できない個性がある。現代の一般的なクルマとは、異なる指針で生み出されたからだろう。魅力を理解するには、時間も必要だと思う。

ほかのSUVとは異なる成り立ち

例えばインテリア。今どきのSUVは、上質で高級感のある車内が目指されている。ジムニーは、堅牢でソリッドな作りではあっても、プレミアム感はない。祖先に忠実なデザインともいえる。

居心地が良いわけではなくても、運転する時間が長いほど、扱いやすいことが見えてくる。シートは快適だし、ヒーターも付いている。インフォテインメント・システムはシンプルだが、アップル・カープレイに対応し利便性は高い。

スズキ・ジムニー(シエラ)1.5 SZ5 オールグリップ(英国仕様)
スズキ・ジムニー(シエラ)1.5 SZ5 オールグリップ(英国仕様)

車内は一応、4人乗り。一度、大人4人で近所のパブへランチに出かけたが、英国人の体型では15分を超える移動は厳しい。

AUTOCARの別のスタッフは、一家で長距離ドライブに挑戦した。1時間後には、12歳の子供はクルマに酔ってしまったらしい。姿勢制御が緩いから、仕方ない。

でも、スズキ・ジムニー・シエラは普通のファミリーカーではない。英国の多くのジムニー・ユーザーは、前席だけを使った2シーターとして乗っている。後席は畳まれ、荷室になっている。

筆者の周りには先代のジムニー・オーナーも少なくない。話を聞いてみると、リアシートの狭さは周知の事実で、取るに足らないことのようだ。

リアシートを使える状態にすると、背もたれの後ろには85Lの荷室空間しか残らない。買い物袋程度は置けるものの、家に着いたら注意してドアを開かないと、荷物が落ちてきてしまう。

ジムニーが最もジムニーらしく感じられる場所は、市街地と郊外と、オフロード。意外と広い。感触の良くないステアリングとMTの癖に、慣れる必要はあるけれど。

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