【究極のライフスタイル・ビークル】フォルクスワーゲン・カラベルへ英国試乗

公開 : 2020.06.21 10:20

フレキシブルなライフスタイルに合う、多用途なクルマを選ぶなら、VWカラベルは最適の選択肢だとする英国編集部。快適性や高級さを増した7名乗りのSUVがある中で、揺るがない地位を築いたオンリーワンといえそうです。

乗用車ライクなインテリアや走行性能

text:Neil Winn(ニール・ウィン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
いつものAUTOCARらしくないと、思わず二度見しないでほしい。フォルクスワーゲン製の四角いバンが、今回の試乗車だ。

フォルクスワーゲン・カラベルは、商用車のフォルクスワーゲン・トランスポーターT6をベースにしたピープルムーバー。単に肉厚な4角いボディに、サイドガラスと7名分のシートを装備しただけではない。

フォルクスワーゲン・カラベル2.0 TDI 199エグゼクティブ(英国仕様)
フォルクスワーゲン・カラベル2.0 TDI 199エグゼクティブ(英国仕様)

3代目となる、トランスポーターT6と同時にリリースされたカラベル。乗用車ライクな質感の車内と、上質な走行性能を備え、7人乗りSUVをはるかに超える積載能力を有してきた。マイナーチェンジ後の新しいT6.1も、その流れはしっかり受け継いでいる。

今回のマイナーチェンジでフロントグリルは大型化され、LEDヘッドライトのデザインも変更。ボディの塗装には、新色が追加された。

インテリアにも手が入り、特にダッシュボードの違いは明らか。メーターパネルはモニター式となり、数多くの安全運転支援システムが搭載されている。

見えない部分では、新システムの電動パワーステアリングを採用。横風でステアリングが取られるのを防ぐ、クロスウインド・アシスタンスが標準装備となった。2.0LのTDIディーゼルエンジンも改良を受けている。

着座位置の高い、カラベルの運転席へ座る。ラグジュアリーな、レザー巻きのマルチファンクション・ステアリングホイールがお迎えしてくれる。

巨大な車内に活発な2.0Lディーゼル

このステアリングは、最新の8代目ゴルフ譲りのもの。インテリアの質感はいずれもソリッドで、ダッシュボードの中央には9.2インチのタッチモニターが据えられている。ちなみにモニターは、一回り小さい8.2インチもある。

このモニターは、車内の見た目を現代的にするだけでなく、デジタルメーターとシームレスに連携できる点も見逃せない。ただし広い車内の特等席は、前席というわけではない。

フォルクスワーゲン・カラベル2.0 TDI 199エグゼクティブ(英国仕様)
フォルクスワーゲン・カラベル2.0 TDI 199エグゼクティブ(英国仕様)

2列目シートは、個別がけの快適なキャプテンシートが標準。3名がけの3列目と向き合うように、回転もできる。移動しながらの会議にもぴったりだ。2列目シートの間には、スライド式の多機能テーブルが付く。

トランスポーターをベースとしていることもあり、2列目と3列目のシートは取り外すことも可能。BMW X7には到底真似できない、巨大な荷室空間が現れる。

マイナーチェンジ後のカラベルT6.1に採用されるのは、2.0Lのディーゼルエンジン。最高出力は150psのほかに、ツインターボで過給した198ps版も選べる。

今回試乗したのは、198ps版の前輪駆動。荷室に大量のキャンプ用品やオフロードバイクを積み込んでも、走りは心配不要だろう。直線加速は充分に活発だ。ちなみに必要なら、英国では四輪駆動も用意されている。

動的性能は、エネルギーに溢れるほどではないものの、満載状態でも高速道路の制限速度への到達は容易い。これには驚かされる。

ディーゼルエンジンは、回転数が上昇しても比較的静か。同等の4気筒ユニットを積むSUVと比べても、うるさく感じることはないと思う。

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