【詳細データテスト】アストン マーティンDBX 絶対値よりバランス重視 自然なハンドリング 惚れるサウンド

公開 : 2020.11.07 11:50  更新 : 2020.11.14 16:49

アストン初のSUVは出色の出来でした。絶対的なパフォーマンスやハイテクぶり、洗練性ではこれを凌ぐライバルも少なくないのですが、アストン マーティンらしく夢中になれる走りが、DBXにはたしかに息づいていました。

はじめに

何年にもわたり、贅沢なスーパーカーや偉大なサルーン、しゃれたGT、エキサイティングなスポーツカーの愛好家たちは、恐れ慄くような予告を聞かされ続けてきた。

しかし、ポルシェがそうだったように、ベントレーランボルギーニ、ましてやロールス・ロイスまでもがSUVをラインナップに加え、しかもそのどれもが成功を収めた。長らくそれを嫌悪する声も多くあったが、どれもがメーカーの救世主になったのもまた事実だ。

テスト車:アストン マーティンDBX
テスト車:アストン マーティンDBX    LUC LACEY

この流れに新しく加わり、最近になってド派手なSUVを発表した高級車ブランドの大物がアストン マーティンだ。ビジネスの安定化を目指したこの動きは、グローバルマーケットへの本格参入と、より野心的な戦略を可能にする収益基盤を築くためだ。

ゲイドンの稼ぎ頭となることが期待される全長5m級の5シーター、すなわちブランニューモデルのDBXは、こうしてこの世に生を受けたわけである。

その期待は、現実になることが確実視される。カリナンは、これまでのロールス・ロイスにないペースで売れている。ベンテイガは発売からの3年間、ベントレーのベストセラーだが、2番手の少なくとも2倍は売れている。ウルスに至っては、ランボルギーニのほかのモデルすべてを合わせたよりも販売台数が多い。

2022年には、フェラーリまでもがスーパーSUV市場に参戦する計画だ。そうなれば、アストン マーティンがこの大きな動きに乗り遅れずに済むことは間違いないだろう。

さらに、富裕層向けの背が高いクルマというジャンルに参入すれが、新たな収益源の登場が見込める。だとすれば、どんな前例や技術的ハードルも、この実用車のハイエンドにこれまで欠落していたものを供給しようという考えを押し留める妨げにはならなかったはずだ。

では、DBXは本当に独特で、ライバルたちとは異なるクルマに仕上がっているのだろうか。そして、走らせてみてアストン マーティンの名にふさわしいものになっているのか。それを確かめてみたい。

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