【ランエボ譲りの走り】三菱エクリプス・クロスPHEV 2020年型 アウトランダー譲りの安心感 既に気になる次期型

公開 : 2020.12.05 05:45  更新 : 2021.10.11 13:49

電動化技術を搭載させた三菱エクリプス・クロスPHEVが発売。電動化シフトや、コロナ禍での新しい生活様式に注目が集まる中、躍進の要になるか。

2020年型エクリプス・クロスPHEV発表

text:Kenji Momota(桃田健史)

三菱自動車工業(以下、三菱)は2020年12月4日、オンラインで新型「エクリプス・クロスPHEV」を発表した。

10月15日から予約販売を開始しており、これまでに月販販売予定数1000台の2倍となる約2000台(11月末時点)を受注している。

三菱エクリプス・クロスPHEV(2020年)
三菱エクリプス・クロスPHEV(2020年)    田村 翔

エクリプス・クロスは、三菱にとって東南アジア、中近東、欧州、そして日本など世界60か国以上で販売されている、まさに世界戦略車だ。

近年の三菱車として、デリカ「D:5」に代表される、押し出し感が強いフロントマスクが特長的なクロスオーバーSUVである。

エクリプス・クロスPHEVは、三菱にとって2モデル目のPHEVだ。2013年1月発売「アウトランダーPHEV」登場から、約8年経ての登場となるが、日本での発表としてはベストタイミングだといえる。

オンライン会見の前日、一部新聞やテレビニュースでは「日本政府が2030年前半までにガソリン車(新車)販売を禁止することで最終調整に入ったことがわかった」という報道があったからだ。

また、同じくクロスオーバーSUVのプラグインハイブリッド車(トヨタの場合、表記はPHV)の「RAV4 PHV」がオーダーストップという状況でもある。

トヨタのホームページでは、「新規搭載のバッテリーの生産能力を大幅に上回る注文があり、年道内の生産分は終了」として新規注文を一時停止している。

そもそもPHEVは理想的な電動車?

RAV4 PHVは、トヨタが予想していた以上ににユーザーの受けが良いプラグインハイブリッド車だ。

一方で、現在(2020年末)は日本市場でのプラグインハイブリッド車はBMWメルセデス・ベンツボルボなど価格が500万円以上の欧州高級車でのラインナップが多い。

トヨタRAV4 PHV
トヨタRAV4 PHV    前田恵介

500万円以下では日本車が主流となり、RAV4 PHVと「プリウスPHV」、さらに「アウトランダーPHEV」がある。また、500万円を超えるとホンダクラリティPHEV」がある。

こうした各メーカーモデルの価格と、政府による電動化シフトという社会情勢を踏まえると、エントリーモデルが400万円を切るエクリプス・クロスPHEVに勝算がありそうだ。

さて、このプラグインハイブリッド車という分野について、自動車関連の多くのエンジニアが「当面は、理想的な電動車」という表現をする。

航続距離が少ない領域ではEVとして使用し、また外部からの充電も含めてハイブリッド車として長い航続距離をこなすことも可能だからだ。

今回のオンライン発表会でも、三菱の加藤隆雄社長は「PHEVには電動車の構成要素がすべてつまっていて、EV(電気自動車)、ハイブリッド車のどちらにも応用可能だ」といと表現した。

さらに「製造から使用/廃棄/再利用までの環境影響評価の面からも、現在の環境問題のおける最適解だ」と言い切った。

記事に関わった人々

  • 前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)

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