【高速で安全に目的地へ】小変更 アウディSQ2 TFSIへ試乗 4気筒ターボで300ps

公開 : 2021.09.28 08:25  更新 : 2021.10.14 16:04

小さなクロスオーバーに、ハイパワーエンジンを搭載したSQ2。ライバルが増えつつある昨今、マイナーチェンジ版を英国編集部が評価しました。

マイナーチェンジ後の違いは極わずか

執筆:Piers Ward(ピアス・ワード)
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
先進的なテクノロジーをウリとする、アウディ。そんな中で、SQ2はやや従来的な内容を備えている。マイナーチェンジ後も、基本的な内容に変わりはないようだ。

インテリアを覗いても、大きなタッチモニターは見当たらない。エンジンルームの内側には、ハイブリッドも備わらない。コンパクトなクロスオーバーのボディに載るのは、シンプルな4気筒ガソリン・ターボエンジンだ。

アウディSQ2 TFSI ブラックエディション Sトロニック(欧州仕様)
アウディSQ2 TFSI ブラックエディション Sトロニック(欧州仕様)

しかし、高性能なクロスオーバーは最近過熱気味のカテゴリー。先日は韓国からヒュンダイ・コナNが仲間入りした。SQ2も、競争力を磨く必要があることは間違いない。

ちなみに、今回筆者が英国の一般道で試乗したSQ2 TFSI ブラックエディションは右ハンドル車だったが、時間制限があり写真撮影はできなかった。掲載するのはドイツ仕様の左ハンドル車となっていることを、ご了承いただきたい。

マイナーチェンジ後のSQ2で、ボディに与えられた変更は小さい。フロントグリルの位置がやや低くなり、バンパーのデザインに手が加わった程度。恐らく、マイナーチェンジ前後の2台を並べても、すぐに認識することは難しいだろう。

リアバンパーもわずかに形状が新しくなっている。だが、説明を聞かなければわからない程度だ。

ゴルフRと同じ4気筒ターボで300ps

インテリアでは、ドアの内張りが新しいデザインとなった。SQ2の登場は2018年で、アウディが特にインテリアデザインで高く評価されていた頃のモデル。今でも、充分に通用する質感がある。

アウディがMMIと呼ぶインフォテインメント・システムは、ロータリーダイヤルとボタンで操作を行える。まだ、扱いやすさは保たれている。

アウディSQ2 TFSI ブラックエディション Sトロニック(欧州仕様)
アウディSQ2 TFSI ブラックエディション Sトロニック(欧州仕様)

SQ2のエンジンは、以前までのキャリーオーバー。2.0L 4気筒ガソリンターボで、フォルクスワーゲン・ゴルフRに搭載されるユニットと同じもの。最高出力300ps、最大トルク40.7kg-mを発揮する。

この極太の最大トルクは、わずか2000rpmから得られる。そのおかげで、0-100km/h加速に要する時間は4.9秒と鋭い。なかなかのエネルギッシュさだ。

エンジンやエグゾーストのサウンドも、充分に聴きごたえがある。稀に、人工的に強調され過ぎたような印象も受けるけれど。

試乗中、筆者はダイナミック・モードが好ましく感じた。このモードでは、7速デュアルクラッチATの変速がシャープになり、ステアリングホイールの反応も引き締まる。

エグゾーストノートには、加速時のアクセルオフでアフターファイヤーの破裂音が混ざる。アウディの「S」を運転するドライバーの気持ちを、アゲてくれる。シャープなクルマの見た目にも良く合うと思う。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ピアス・ワード

    Piers Ward

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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