【誰がライバル?】新型レクサスLX 600は、誰とどこで戦うのか

公開 : 2021.10.14 11:45

14年ぶりにフルモデルチェンジした300系ランドクルーザー。そのレクサス版、新型LXがデビュー。ライバルは?

乗員増ではなく減に見える覚悟

トヨタ自動車は2021年10月14日AM1時半解禁というかたちで、新型のレクサスLXを発表したのである。

新型LXの初公開の場がサウジアラビア王国ならびにアラブ首長国連邦だったことからもわかるように、レクサスが誇る、つまりは日本を代表するフラッグシップSUVは数多くのライバルと戦う運命にある。

公開された新型LXの資料を見ていて気になったのは4人乗り仕様のエグゼクティブというグレードが用意されることだった。

2020年代のトップオブSUVの仲間入りを果たすのであれば、左右のリアシートを太いセンターコンソールで分断した、エグゼクティブシートの存在が欠かせない。

より高級になったことで、これまで以上にランクルとの差別化が図られるはず。となればSUV以外のライバルも視野に入ってくる。

例えば、これまでレクサスLSのようなリアシートにもプライオリティが置かれたセダンに乗っていたようなオーナーにとってもLXが魅力的な選択肢になるのだと思う。

生い立ち似ている日英対決に注目

LXの元ネタであるランクルの歴史を振り返ると、起点となった1台は戦時中に接収したジープの技術を模倣したものだった。

これと似た成り立ちを持つSUVといえばイギリスのランドローバーだ。

ランドローバー・レンジローバー(2019年)
ランドローバー・レンジローバー(2019年)    神村聖

特にランクルの高級版ともいえるLXのライバルと目されるのは、泥っぽいランドローバーに洗練を与えたレンジローバーだろう。

SUVの世界にプレミアムな世界観を取り入れ、同時にオンロードのドライバビリティに革命を起こしたレンジローバー。

それと比べると、先代のLX570の動的質感は「とても薄味だった」としか言いようがない。

だが最新のGA-Fプラットフォームによって構成される新型LXは期待できそうだ。

すべての開口部パネルやルーフにアルミニウム材を採用。また最新の溶接技術や高張力鋼板の使用で車体剛性も20%ほど向上。

さらにエンジン搭載位置もこれまでより低く、後ろに下げられているという。

近年のトヨタの優れたシャシー設計技術があれば、これまでは影の薄かった「ドライバビリティ」が一気に存在感を増すことは想像に難くない。

実際に他のプレミアムブランドがSUV市場に参入する以前の中東ではランクルとランドローバーが頂点を争ってきた歴史もあるので、この日英頂上対決は注目だろう。

価格も含めた意外な本命が存在?

トップオブSUVといえばもちろんロールス・ロイスカリナンベントレーベンテイガ、さらにはBMWアルピナXB7、メルセデス・ベンツGクラスGLSといった面々も勝負に絡んでくるだろう。

だがよくよく考えてみると、これは本当に「勝負」になるだろうか?

キャデラック・エスカレード(2021年)
キャデラックエスカレード(2021年)    上野和秀

新型LXの価格はまだ発表されていないが、先代のLX570が1135万6481円(細かい!)であることを考えれば、新型の最上級グレード、エグゼクティブ・グレードで目いっぱい盛ったとしても1500万程度。

つまり中東の方々にとってはカリナンなどとともに当然ガレージに収めておきたい「信頼性ナンバーワンのお手頃な1台」なのだろう。

一方日本市場においては、国産の超高級車と輸入車ということで微妙に購買層が異なるというこれまでの流れが続くのではないか?

最後の登場になってしまったのだが、新型LXに対する伏兵というかガチンコライバルと目される1台はキャデラック・エスカレードだろう。

昨年5代目となり、先頃我が国にも上陸した新型エスカレードの価格は1490万円~。だが北米におけるスタートプライスは現行LXの方が少し高いのだ。

ラダーフレームを持つことでGクラスのようにタフな走行性能を誇り、リアのエグゼクティブシートによって英国超高級車のように豪華。それでいてキャデラックと比肩する価格帯に留まる。

ライバル云々はさておき、新型レクサスLXは相当なポテンシャルの持ち主であると推測できるのである。

この記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。

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