レクサスLX盗難未遂 仕掛けられた不審「エアタグ」 持ち主の特定方法/やってはいけないこと

公開 : 2023.02.06 17:45  更新 : 2023.03.31 09:34

レクサスLXに仕掛けられた不審なエアタグ。仕掛けた人の特定方法と、絶対やってはいけないことを紹介します。

レクサスLXに見知らぬAirTag

横浜市内でスーパーカー専門店「アルティメットガレージ」を経営する青木さんは、1月のある日、会社で所有しているレクサスLX570に乗ると「AirTag(エアタグ)はあなたと一緒に移動しています」と通知が来ることに気づいた。

その日を境に青木さんだけではなく、社員のアイフォーンにも同様の通知が届くようになった。

青木さんの経営する会社で所有しているレクサスLX570に見知らぬAirTagが仕掛けられていた。
青木さんの経営する会社で所有しているレクサスLX570に見知らぬAirTagが仕掛けられていた。    レクサス

もしかして、誰かがAirTagをLXに仕掛けたのではないか? LX盗難のニュースをたびたび見ていた青木さんは、会社のLXが狙われているのかも? と感じた。

しかし、LXに仕掛けられているかもしれないAirTagをスタッフとともに探したが、車内はもちろん、下まわりを探しても見つからなかった。

自力で発見できない場所に仕掛けられている可能性もあるのでは、ということでLXをレクサスのディーラーに持ち込み、リフトで上げて徹底的に調べてもらったところ……意外に近い場所からAirTagが発見された。

ご丁寧に丸く小さなケースに入っており、ケースには「B」と記されていた。

青木さんにその時の様子を伺った。

――AirTagはどこから見つかったのでしょうか?

「車体の底、後ろのタイヤ近くに黄色い蓋がついたケースが磁石で取りつけられていました。探しても見つからなかったまさに完全な死角でした」

「ですが、クルマの下にもぐったり、リフトで上げたりする必要はなく、クルマの下から手を伸ばして取り付けられる場所でした。取り付ける際に時間や手間は掛かっていないでしょう。そして、AirTagが入っていたケースには『B』と書いてありました。Bがあるなら、AもCもあるかもしれませんね」

――どこで取り付けられたと思われますか?

「1月の最初に羽田空港に5日間駐車していたことがありました。おそらくその時かなと思います。羽田空港に停まっているレクサスに手あたり次第、取り付けたのかもしれません」

AirTagでどんなことができるの?

青木さんは警察にも相談していた。しかし何の対応もなかったとのこと。

「AirTagが見つかる前に会社近くの戸部警察署に相談しました。話は聞いてくれたものの、クルマをみようともせず、捜査を始めるわけでもありませんでした。まったく動いでくれませんでした」

不審なAirTagを仕掛けられた青木さんはツイッターを通じて注意喚起をおこなった。青木さんの注意喚起によって盗難被害を未然に防いだケースもあるだろう。
不審なAirTagを仕掛けられた青木さんはツイッターを通じて注意喚起をおこなった。青木さんの注意喚起によって盗難被害を未然に防いだケースもあるだろう。

そしてAirTag発見後、注意喚起のためにSNSで情報発信を始めた。

想像をはるかに上まわるリアクションで、通知が鳴りやまなかったという。

1月20日にツイッターに投稿し、現在までに閲覧数は約920万件、「いいね!」は4万件以上ついている。

青木さんの注意喚起で愛車にAirTagが仕掛けられたことに気づき、被害を未然に防いだケースもあるだろう。

ちなみに昨年10月20日AUTOCAR JAPANに「盗難被害レクサスLC エアタグ使って2時間で発見! 純正アプリより役立つ? エアタグの有効性を検証」という記事を書いた。

こちらはオーナー自身がLCに複数のAirTagとGPSをセットしていたこと、警察が追跡に全面協力してくれたことで早期発見につながった。

この原稿を書いた時、逆のパターンはあるのだろうかと考えた。

つまり、盗む側が狙いを定めたクルマにAirTagをセットし、ふだんの保管場所などを特定してクルマを盗むことができるのかどうか? ということである。

オーナーや同乗者がアイフォーンユーザーなら愛車に不審なAirTagが仕掛けられていることはすぐにアラート(警告通知)が行くことでわかるだろう。

実際、前述の青木さんは自身のアイフォーンに通知がきたことでLXに仕掛けられた見知らぬAirTagの存在に気づいている。

その通知とは「AirTagはあなたと一緒に移動しています」という警告メッセージである。

このメッセージはアイフォーン所有者が確認して削除するまで固定メッセージとしてずっとアイフォーン画面に残る。

記事に関わった人々

  • 執筆

    加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。

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