【尊い…】ランボルギーニ・ウラカンSTO サーキットで自在、レーサー直系の醍醐味とは

公開 : 2021.10.22 11:25

ランボルギーニ・ウラカンSTOは、レーシングモデル直系の公道走行できる市販車。4000万円を超える価格の真価を、サーキットからレポートします。

スーパートロフェオを、公道に

執筆:Shinichi Katsura(桂伸一)
編集:Tetsu Tokunaga(徳永徹)

ミドに搭載される自然吸気5.2L V10ユニットは640ps/57.6kg-mを誇る。

このパフォーマンスを本来の四輪駆動から、後輪のみに伝達し、軽量化と空力を突き詰めたスーパースポーツ、ランボルギーニウラカンSTO(スーパートロフェオ・オモロガータ)に試乗した。

STOとは「スーパートロフェオ・オモロガータ」のこと。ワンメイクレーサーのウラカン・スーパートロフェオを、公道走行用に公認取得したという意味合いになる。
STOとは「スーパートロフェオ・オモロガータ」のこと。ワンメイクレーサーのウラカン・スーパートロフェオを、公道走行用に公認取得したという意味合いになる。

ある意味、パワフルな2WDのスリリングな動きも期待しつつ向かった先は、日本を代表するハイスピードコース、富士スピードウェイ。

実はこれ、日本を含むウラカンSTOのワールドツアーの一環で、6台のSTOがその魅力を発散させる。

もちろんイベントのメインは有力カスタマーにその威力と効能を堪能させることにあるが、それをレポートする我々媒体も、世界のスポーツカー市場の“深化の度合”に改めて衝撃を受ける。

軽いドアを開け、コクピットに滑り込んだ。

スコッと納まるシートからステアリング位置の調整幅、寝そべったドラポジが決まるところまで、気分はレーシングドライバー。タイトではあるが、しかしスポーツカーとしては快適空間である。

ミサイル発射の如く、スターターのカバーを跳ね上げスイッチONでV10は一発で目覚めた。

1周、2周、高まる期待とグリップ

アクセルペダルの動きにワッとフケあがり、止まるようにストンと回転落ちする鋭いレスポンスは、まさにレーシングユニット。

低回転の獰猛な唸りと、8500rpmを許容する高周波サウンドが後方から響いてきて、ミドシップである事を再認識する。

ランボルギーニのカスタマーを集め、3日間に渡り開催された「ウラカンSTOドライビング・エクスペリエンス」の舞台は富士スピードウェイ。ホームストレートの車速は、6速で286km/hに達した。
ランボルギーニのカスタマーを集め、3日間に渡り開催された「ウラカンSTOドライビング・エクスペリエンス」の舞台は富士スピードウェイ。ホームストレートの車速は、6速で286km/hに達した。

エンジンとドライバーの間を遮るように走るロールケージは、もちろん安全性に加えて強靭なシャシー補強にもなり、走り出せば“1mm操作すると正確に1mm動く剛体”だけが持つ応答の確かさにも貢献。

事前説明で分かったのは、新たに専用開発したブリヂストン・ポテンザ・スポーツが、レーシングスリックタイヤにも劣らないグリップ力、そして正確なハンドリング特性を持つということ。

発熱によるグリップ力の低下を抑制する安定性と、それが深く関係するサーキットのラップタイムの数値につながる。

試乗は4周×2回と、1周のホットラップという3セッション。

まずは走行モードを、車両安定制御も含む「STO」に。

タイヤの接地感、路面に張り付いたような喰い付き感は、1~2周のウォームアップ後に発揮される。

ここにウラカンのレース仕様から受け継いだ空力、つまり走行風による下向きの力、ダウンフォースがフロントに加わることで、路面を掴んで離さない感覚は劇的に増える。

それが何に関わるのかと言うと、ハイスピードのまま“自在に曲がる”特性にである。

関連テーマ

おすすめ記事