SEMAショーの新風「オーバーランド」 TRD/ニスモも注力 日本にも広がる?

公開 : 2021.11.22 05:45  更新 : 2021.11.23 11:44

今回のSEMAショーの主役は「オーバーランド」。日系メーカーも注力する新風を紹介します。

新風「オーバーランド」

コロナ禍の影響で2年ぶりに開催となった、世界最大級の自動車アフターマーケット見本市のSEMAショー。

開催地である米ネバダ州ラスベガスでは、とくに目立つ新しいトレンドがあった。

日産フロンティア
日産フロンティア    日産

それが、オーバーランドだ。

オーバーランドとは、アフリカ、中近東、南米の本格的な未開の地はもとより、欧州や北米の国立公園などを個人所有のクロスカントリー車やオフロードバイク、またはツアー会社が仕立てたバスなどで巡る、自然をカラダ全体で感じる旅のスタイルの総称の1つである。

あくまでも総称であるため、例えばどのような宿泊方法を取るのかなどの定義はないが、常設のホテルなどを利用するのではなく、基本的にはテントを設営することが多い。

そのうえで、クルマを最大限に利活用するとなると、いわゆるルーフテントを用いる場合が多い。

実際、海外の自動車メーカーではメディア向けや一部ユーザー向けに仕立てた、オーバーランドツアーでは、SUVにルーフテントを装着するケースもある。

そんなオーバーランドという考え方が、米日欧のチューニングカーが数多く出展されているSEMAショーで今回、一躍スターダムにのし上がったのだ。

とくに、日系大手自動車メーカー3社はこぞってオーバーランドブームを取り入れた。

具体的には……。

トヨタ タンドラ/タコマで

まずは、トヨタからだ。

トヨタのSEMA 2021に向けたユーザーや販売店向けのメッセージは「オフロード・アドベンチャー&オンロード・ホットネス」だ。

トヨタ・タンドラ
トヨタ・タンドラ    トヨタ

フルサイズピックアップトラックのタンドラは、TRD USAのチューニングを受けて、サスペンショントラベル(作動量)を一気に拡大し、ワイドなボディキットを装着。そしてリアベッド(荷台)には二重のロールバーにスペアタイヤをセッティングした。

そして、ミッドサイズピックアップトラックのタコマでは、オーバーランディング・コンセプトを発表。

タコマSR5をベースにサスチューンやフロントバンパーに強靭なガードを設けるとともに、リアベッドのロールゲージに、全米トヨタ販売店で購入可能なヤキマ製のルーフテントを装着した。

また、すでに発表済みだった、タコマでトレーラーを牽引するタイプのTRDスポーツトレーラーも、ルーフテントが展開できるオーバーランドとしてあらためて紹介された。

さらに、ゴジラならぬ、タコジラも初披露された。タコマとゴジラによる造語だ。

タコマのリアベッドからルーフにかけてキャンピング用のスペースを設けるスタイル。

北米トヨタによると「70年代から80年代のキャンピングカースタイルをイメージした」という。

では、日産やホンダはどうか?

記事に関わった人々

  • 執筆

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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