ベントレー・フライングスパー・ハイブリッド 他モデル/グレードとの違いは? 数値に迫る

公開 : 2022.01.21 12:15

ベントレー・フライングスパーにハイブリッドが加わりました。他モデル/グレードとの違いに、数値を切り口に迫ります。

フライングスパーPHEVモデル

ベントレー・フライングスパー・ハイブリッドは、ベントレーが昨年発表した「ビヨンド100ストラテジー」に基づく電動化モデルの第2弾である。

その第1弾は、今年11月に国内発表されたベンテイガ・ハイブリッド。ちなみに、ベントレーのようなラグジュアリーブランドが世に送り出した初の電動モデルが、このベンテイガ・ハイブリッドだったとされる。

ベントレー・フライングスパー・ハイブリッド
ベントレー・フライングスパー・ハイブリッド    ベントレー

なぜ、ベントレーはかくも電動化に熱心なのか? そして「ビヨンド100ストラテジー」とはいったいどのようなものなのか? かいつまんでご説明しよう。

「ビヨンド100ストラテジー」は、
1:2026年までに全モデルを電動化
2:2030年までに全モデルをBEVに
3:2030年までにベントレー全体の活動をカーボンニュートラルにするとともにクルー本社は地球温暖化現象に対してポジティブな影響を与える状況を目指す
などの努力目標を掲げたものだ。

これまで、重く大きなベントレー各モデルのCO2排出量は決して少なくなく、どちらかといえば環境負担の大きなブランドとのイメージが強かったはず。

しかし、近年は持続可能な社会の実現に関心を持つ層が顧客の間で増えているため、「ベントレーも環境負担の低減に向けて大きく舵を切ることになった」と、同社セールス&マーケティング担当取締役のアラン・ファーヴェイは日本人メディアとのリモート・インタビューのなかで語った。

ベントレーの顧客といえば、重い社会的責任を担う人々が少なくないと推測される。そういった人々であれば、地球温暖化現象を見過ごすわけにもいくまい。

製品だけに限らず企業活動全体のカーボンニュートラル化をベントレーが目指しているのは、こういった背景があるからなのだ。

ここでフライングスパー・ハイブリッドの概要を紹介しよう。

ベンテイガ/フライングスパーで異なる排気量

これまでフライングスパーのパワープラントとしてはW12 6.0LターボエンジンないしはV8 4.0Lターボエンジンが搭載されてきたが、フライングスパー・ハイブリッドに積まれるのはV6 2.9Lターボエンジンを核とするPHEV(プラグイン・ハイブリッド)システムである。

これを聞いて「おや?」と思った方は相当のベントレー通。なぜなら、先に発表されたベンテイガ・ハイブリッドは同じV6でも3.0Lエンジンを積んでいたからだ。

W12 6.0Lターボエンジン/V8 4.0Lターボエンジンに加え、フライングスパー・ハイブリッドの登場でV6 2.9Lターボエンジンが取り揃えられた。
W12 6.0Lターボエンジン/V8 4.0Lターボエンジンに加え、フライングスパー・ハイブリッドの登場でV6 2.9Lターボエンジンが取り揃えられた。    ベントレー

なぜ、2.9Lと3.0Lという、微妙に排気量の異なるエンジンがラインナップされているかといえば、それはベントレーが属するフォルクスワーゲン・グループの都合によるものだろう。

ベンテイガのプラットフォームはアウディが中心となって開発したMLBエボであり、このためMLBエボを用いた同グループ内のSUVは、基本的にアウディの作となるV6 3.0Lターボを搭載している(例外はポルシェ・マカンカイエン

いっぽう、フライングスパーのプラットフォームはポルシェが中心となって開発したMSBであり、このためエンジンもポルシェが手がけたV6 2.9Lターボが選ばれたと推測されるのだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    大谷達也

    Tatsuya Otani

    1961年生まれ。大学で工学を学んだのち、順調に電機メーカーの研究所に勤務するも、明確に説明できない理由により、某月刊自動車雑誌の編集部員へと転身。そこで20年を過ごした後、またもや明確に説明できない理由により退職し、フリーランスとなる。それから早10数年、いまも路頭に迷わずに済んでいるのは、慈悲深い関係者の皆さまの思し召しであると感謝の毎日を過ごしている。

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