最高のラグジュアリーSUV ランドローバー・レンジローバーへ試乗 6代目へ一新 前編

公開 : 2022.04.18 08:25

レンジローバーが新世代へモデルチェンジ。従来以上に能力の幅を広げたフラッグシップを、英国編集部が評価しました。

新設計のMLAプラットフォームを採用

ランドローバーレンジローバーが6代目へモデルチェンジを果たした。新しいディフェンダーは上質になり、ディスカバリー寄りの立ち位置になった。そしてこのレンジローバーは、ラグジュアリーSUVとしての地位を更に高めたようだ。

先代より高級さを増し、洗練度を磨き、ボディサイズが成長している。最新技術も惜しみなく投入されている。

ランドローバー・レンジローバー SWB(欧州仕様)
ランドローバー・レンジローバー SWB(欧州仕様)

早速、概要を確認していこう。6代目レンジローバーは先代同様に、ショートとロング、2種類のホイールベースを選べる。それぞれ、2997mmと3197mmに設定された。

プラットフォームは、MLAフレックスと呼ばれる新設計のもの。ねじり剛性は、先代から最大で50%も増したという。

80%がアルミニウムで構成されている。だが、エンジンルームと車内を仕切るバルクヘッドはスチール製で、Aピラー付近のロワーボディやCピラーとDピラーまわり、フロントドアの開口部にも、強化スチールが用いられている。

全長はショート・ホイールベース(SWB)で5052mmと、先代より75mm長い。ちなみに、ベントレーベンテイガは5141mm、BMW X7は5151mmある。全幅はミラーを含めて2209mm、全高は1870mmとなる。

定員は標準で5名。ロング・ホイールベース(LWB)版なら3列目シートを追加した7シーターか、2列目をセパレートにした4シーターも指定できる。

特装を手掛けるSVO(スペシャル・ヴィークル・オペレーションズ)部門による、SV仕様もある。電動の折りたたみテーブルだけでなく、予算次第でオーナーの望み通りのインテリアへ設えることも可能だ。

エンジンはすべてハイブリッド化 純EV版も

パワートレインは、当初から選択肢が多い。3.0Lガソリンターボのマイルド・ハイブリッドは、P360とP400。3.0Lディーゼルターボのマイルド・ハイブリッドは、D250とD300、D350の3段階設定された。

更に4.4L V8ガソリン・ツインターボのP530と、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)のP440eとP510eも用意される。なお、それぞれの数字は馬力を示している。2024年には、純EV仕様も投入される予定だ。

ランドローバー・レンジローバー SWB(欧州仕様)
ランドローバー・レンジローバー SWB(欧州仕様)

トランスミッションは、純EV以外、すべてにZF社製の8速オートマティックが組み合わされる。オフロードでの走破性を高めるトランスファーに加えて、リア側には電子制御のリミテッドスリップ・デフも備わる。

サスペンションは、フロントがダブルウイッシュボーン式で、リアが5リンク式。エアスプリングのみとなり、コイルスプリングは選べない。車高調整が可能で、乗り降りを容易にするため50mm落としたり、険しい悪路に構えて135mm持ち上げられる。

ブレーキ制御によるトルクベクタリング機能のほか、アクティブ・アンチロールバーも搭載され、コーナリングをアシストする。後者は電圧48Vのシステムで、GPSとマップデータを利用しコーナーを予測。自動的に硬さを調整してくれるスグレモノだ。

四輪操舵システムも標準装備。低速域で最大7.3度リアタイヤの向きを制御し、最小回転直径は11.37mと、大きさを考えれば小回りも効く。これは、フォルクスワーゲン・ゴルフと同等といえる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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