最高のラグジュアリーSUV ランドローバー・レンジローバーへ試乗 6代目へ一新 前編

公開 : 2022.04.18 08:25

通常は後輪駆動で燃費を改善

もちろん、トラクションとスタビリティを知的に制御する、ランドローバー自慢のテレイン・レスポンスIIも搭載。レンジローバーが四輪駆動状態にある時に、エンジンとトランスミッション、シャシーの電子アシストが一括してコントロールされる。

新しいレンジローバーは、34km/hから160km/hの範囲で走行している場合、気温が3度を下回らなければ、基本的には後輪駆動になる。それにより駆動系のロスを減らし、CO2の排出量を最大4g/km減らすことができるとのこと。

ランドローバー・レンジローバー SWB(欧州仕様)
ランドローバー・レンジローバー SWB(欧州仕様)

カタログ値では、PHEVが最小で21g/km。V8ツインターボでは270g/kmと、10倍以上の差がある。滑らかなスタイリングの効果として、空気抵抗は良好。Cd値は0.30に抑えられた。

ボディが成長したぶん、新しいレンジローバーは重い。3.0Lガソリンターボが一番軽く、車重は2379kg。PHEVでは、2735kgに達する。アルミホイールは最大で23インチまで選べるが、先代の22インチより軽く、乗り心地には影響を与えないそうだ。

豪華な車内には35本のスピーカー

続いてインテリアを観察していこう。ひと目見ただけで、間違いなく豪華。大柄なフロントシートの素材は上質で、座り心地も良い。ドアとテールゲートは電動で開閉する。

車内には、標準で35本のスピーカーが埋め込まれている。ヘッドレストには60mmのユニットが埋め込まれ、ノイズキャンセリング機能を果たす。バルクヘッドをスチール製としたことで、低周波の音や振動を遮断でき、車内ノイズを24%も抑えたという。

ランドローバー・レンジローバー SWB(欧州仕様)
ランドローバー・レンジローバー SWB(欧州仕様)

ダッシュボードの中央には13.1インチのタッチモニターが据えられる。最新のピヴィ・プロ・インフォテインメント・システムが実装され、スマートフォンをモデルにシステムデザインが施されたそうだ。

アマゾンの音声認識アシスタント・システム、アレクサも採用し、エアコンやテレイン・レスポンスの操作をまかなえる。使い勝手は悪くないが、実際に回せるダイヤルなどが残されても良かったと思う。

フロントシート側の空間は、感心するほどゆとりがある。リアシート側は、広大と感じるほど。LWBなら、3列目でも大人が快適に過ごせるだろう。荷室容量は、その3列シート版で312L。シートを折りたたむことで、2601Lまで拡大できる。

荷室フロアは、立ち上げて固定が可能。テールゲートの下側を開くと、フロア部分が背もたれになり、ベンチのように座れる。レンジローバーらしい機能といえる。

続いて、実際に走らせてみよう。今回の試乗では、ショートとロング、両方のレンジローバーを運転することができた。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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