徹底した改良メニュー ランボルギーニ・ウルス・ペルフォルマンテへ試乗 47kg減量 前編

公開 : 2022.10.24 08:25

高性能SUVの頂点を狙うべく、増強と減量を図ったウルス・ペルフォマンテ。称賛に値する能力だと英国編集部は評価します。

メニュー内容はウラカンのそれに近い

ランボルギーニウルス・ペルフォルマンテのようなモデルの試乗では、コーナーを1つ曲がっただけで多くのことが見えてくる。高い速度域まで気張らずとも。

ランボルギーニがジャーナリストをサーキットへ招いた試乗会では、プロドライバーが運転するクルマを追走するスタイルで、新モデルを確かめる機会を用意してくれる。慣れるため、最初はゆっくり周回することが多い。

ランボルギーニ・ウルス・ペルフォマンテ(欧州仕様)
ランボルギーニ・ウルス・ペルフォマンテ(欧州仕様)

今回も同様だったが、ウルス・ペルフォマンテがハンドリング・サーキットも許容範囲とすることを、すぐに理解できた。全長が5137mmある大型SUVでありながら。

ステアリングホイールを切ると、間髪入れずフロントノーズが反応。ボディロールを最小限に留めつつ、驚異的なグリップ力でコーナーを旋回していく。

この身のこなしは、ウルス・ペルフォマンテに施されたチューニング内容を知れば納得できる。徹底的に走りを追求したウルスであり、メニューとしてはスーパーカーのウラカン・ペルフォマンテに近い。

つまりランボルギーニの技術力を総動員し、アストン マーティンDBX707やポルシェカイエン・ターボGTなどと真っ向勝負するために生み出されている。同社は「スーパー・スポーツカー」を目指したと主張する。高性能SUVの覇権争い容赦はない。

専用シャシーに軽量化で47kgダイエット

ウルス・ペルフォマンテの4.0L V8ツインターボ・エンジンは、最高出力666ps、最大トルク86.5kg-mを発揮する。この数字は、通常のウルス Sと同じではある。

0-100km/h加速は3.3秒で、カイエン・ターボGTに並ぶ。ここまには、さしたる驚きはないかもしれない。

ランボルギーニ・ウルス・ペルフォマンテ(欧州仕様)
ランボルギーニ・ウルス・ペルフォマンテ(欧州仕様)

もちろん、それだけではない。サスペンションはエアスプリングからスチールコイルへ変更。車高は20mm落とされた。トルクベクタリング機能は新設計のもので、ピレリ・トロフェオRというタイヤは、専用開発品だという。

アルミホイールもペルフォマンテ専用で、タイヤと組んだ状態で1本6kgもバネ下重量を削っている。エグゾースト・システムは軽量なチタン製。トルセン式のセンターデフも開発し直され、より多くのパワーをリアアクスルへ送ることを可能としている。

テールゲートの上に載るリアウイングも新デザインで、ダウンフォースを最大38%高めた。ボンネットはカーボン製。ルーフもオプションでカーボン製にできる。ランボルギーニによれば、このクラスとしては最もカーボン・パネルを多く装備できるとか。

左右のタイヤの間隔、トレッドは前後ともに16mmワイド化された。ドライブモードではラリー・モードが選べる。8ATは、シフトダウン時の動作を鋭く改良。インテリアにはアルカンターラがふんだんに用いられている。

各部に施された軽量化の結果、車重は通常のウルスから47kgが削ぎ落とされた。それでも2150kgあるため軽いとはいえないものの、間違いなく小手先でこなせる仕事ではなかったはず。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ピアス・ワード

    Piers Ward

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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