真価は磨かれた操縦性 ランボルギーニ・ウルス・ペルフォマンテへ試乗 666psのSUV

公開 : 2023.02.01 08:25

ミドシップ・スーパーカーの専売だった特別な「ペルフォマンテ」がウルスへ。その仕上がりを英国編集部が評価しました。

スチールコイルで車高を20mmダウン

高性能モデルを手掛ける自動車メーカーは、似た方向性で開発を進める傾向がある。本来は異なる位置づけのメーカーでも、トレンドを追い、結果として近似したモデルが導かれる場合は少なくない。アグレッシブなクロスオーバーも、その一例だろう。

ランボルギーニは、ウラカンを44mmリフトアップした四輪駆動のステラートを発表した。スリークなボディにワイドなフェンダーが追加され、オフロード用タイヤを履く。V型10気筒エンジンを搭載した、現代版ランチア・ストラトスといえそうだ。

ランボルギーニ・ウルス・ペルフォマンテ(英国仕様)
ランボルギーニ・ウルス・ペルフォマンテ(英国仕様)

そして、ポルシェも911のオフロード仕様、ダカールを先日リリースしている。興味深い事実だと思う。

一方でランボルギーニは、ウルスの派生モデルも生み出した。これまでのエアサスペンションを従来的なスチールコイルへ置き換え、車高は20mmも落とされている。

左右のタイヤの間隔、トレッドが広げられ、カーボンファイバー製のボディパネルで軽量化も図られている。空力特性も大幅に改善されたという。それが、英国価格20万4213ポンド(約3267万円)のウルス・ペルフォマンテだ。

0-100km/h加速は3.3秒。SUVでありながら、スーパーカーでもある。

対するポルシェも、カイエン GTターボをラインナップして迎え撃つ。フェラーリも、プロサングエを投入した。このいずれもが、同じ目標を目指すといっていいだろう。

2150kgある車重を忘れるような加速力

既に英国編集部では、サーキットでウルス・ペルフォマンテを試乗済み。並外れた動力性能は確認している。今回は英国の一般道で、日常的な印象を確かめる番だ。ネタバレになるが、称賛すべき仕上がりにはある。

当然ながら、ウルス・ペルフォマンテはとてつもなく速い。ポルシェが基本設計を施した、4.0L V8ツインターボ・ガソリンエンジンは650psから666psへ最高出力が高められている。最大トルクは86.5kg-mで変わらないが、圧倒的なパワーが放たれる。

ランボルギーニ・ウルス・ペルフォマンテ(英国仕様)
ランボルギーニ・ウルス・ペルフォマンテ(英国仕様)

2150kgもある車重を忘れるような加速を、いとも容易く生み出す。47kgだが、通常のウルスより軽量化されていることも貢献しているだろう。

アクラポビッチ社製のチタン・エグゾーストシステムは、遠くから聞き分けられるような快音を放つ。ストラーダ・モードを選んでいなければ、かなりウルサイ。

スタイリングにもしっかり手が加えられている。そもそもウルスは控えめなデザインといえないものの、カーボン製ボンネットはツートーンに塗られ、フロントバンパーには盛大にエアインテークが開けられた。

ホイールアーチには、カーボン製のエクステンションが付き全幅も拡大。ペルフォマンテとして自己主張が一層強められている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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