発表迫るマイチェン版 ポルシェ・カイエン S 試作車へ試乗 4.0L V8ツインターボ獲得 後編

公開 : 2023.01.20 08:26

フェイスリフトで大幅に手が加えられる3代目カイエン。正式発表前に、英国編集部が試乗の機会を得ました。

バンパーやライト類のデザインを変更

マイナーチェンジ版の発表が迫る大型SUV、3代目ポルシェカイエン。同社はプロダクトデザインの子会社、ポルシェ・デザインを保有するほど、モノづくりに強い拘りを持っている。

過去からの体系を崩さず、スタイリングを進化させる手法にも長けている。このカイエンにも、そのリソースは遺憾なく発揮されたようだ。

ポルシェ・カイエン S プロトタイプ
ポルシェ・カイエン S プロトタイプ

プロトタイプのボディに施されていた偽装は軽微で、フロントバンパーやフロントグリル、フェンダーラインなどが変更されていることを観察できた。マトリックスLEDヘッドライトの造形にも手が加えられている。

後ろに回っても、同様のリデザインが施されている。新鮮味が巧みに生成されている。

ポルシェの普段のフェイスリフトと同様に、オプションとして新デザインのアルミホイールや塗装色も追加されるとのこと。ベースグレードのカイエンとカイエン Sには、20インチ・ホイールが組まれるようになるという。

あるいは、小径ホイールに肉厚なタイヤという組み合わせもラインナップが拡充される。乗り心地の向上を希望するオーナーのために。

ダッシュボードは従来から一新

インテリアへ目を移すと、バッテリーEVのポルシェ・タイカンのような世界が広がることになる。正式発表前なため、まだ写真をお見せすることはできないが、特にダッシュボードは一新される。

お伝えできる範囲としては、メーター用モニターは12.7インチで、緩やかにカーブを描く。インフォテインメント・システム用は12.3インチのタッチモニター。助手席側の正面にも、10.9インチのエンターテイメント用モニターが据えられる。

ポルシェ・カイエン S プロトタイプ
ポルシェ・カイエン S プロトタイプ

運転席と助手席との間には大きなセンターコンソールが横たわるが、そこからシフトレバーは姿を消す。タイカンのように高い位置へ、トグルスイッチが与えられる。ステアリングホイールを握った状態からでも、手を伸ばせばすぐに届く。

ステアリングホイールには、ロータリーコントローラーが追加され、ドライブモードの選択が手元で行えるようになる。ヘッドアップ・ディスプレイもアップデート。実際の景色に対応した、拡張現実的なグラフィックが投影される。

ドアの内装パネルも刷新。スマートフォン用のワイヤレス充電機能は、最大15Wまで対応する。エアコンやベンチレーションの能力も高められるそうだ。

ふんだんなデジタル技術がより身近になり、全体の印象としては間違いなくよりモダン。クッション性に優れたドライバーズシートへ身を委ね、先進的なポルシェを運転している気分を堪能できるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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