スペシャルショップ

1958年のポルシェ356Aだけに備わる新機構とは

ポルシェ356Aといえば1957年春の大改造で生産台数は減少していて、クーペの台数だけですが1956年式で3310台あったのが1957年式(9月まで)は2472台となっています。

356Aでは多くが1958年以後で残っていますが、この年は生産台数も多くクーペでは3670台となって356Aの生産台数では一番の当たり年なのです。

同時にエンジンの改良途中のため、(ポルシェの珍しい失敗で)有名な「オイルコントロールバルブ」が採用された年でもあります。

SANYO DIGITAL CAMERA

上の写真は1958年式1600スーパーのエンジンです。
プーリーの左に丸い筒が見えますが、この中にサーモスタットを組み込み、1957年から採用したダブル・コントロールバルブで油圧を安定させるという、当時最新のオイル温度制御を組み込んだエンジンでした。
丸い筒の影に写っているのが油圧ラインで、パイプ外付けの珍しいタイプです。

残念ながらサーモスタットは水冷エンジンでおなじみのように「必ず壊れる」のですが、その壊れ方によっては356の高価なエンジン本体をバラバラにさせる危険が発生したため、1958年式モデルの1年限りで廃止されたシステムでした。
直後にポルシェ社ではサーモスタットの部品も販売がなくなり、修理もできません。

とはいえ、去年バラしたエンジンは、このサーモスタットがちゃんと動いていたので、60年以上も作動する耐久性に、わたしゃ相当に驚いたものです。 

佐藤自動車工業所

東京都江戸川区中央3-16-5
TEL:03-3651-1841 FAX:03-3652-5057
営業時間:9:00〜18:30 定休日:第2土曜日・祝祭日(休日に営業する場合もあり)
http://sato.car.coocan.jp E-mail:[email protected]

新着ニュース

ニュース一覧