ポルシェ356の燃料コックについて補足があります

佐藤自動車工業所の佐藤です。
前回燃焼室に燃料が入ってエンジンが致命的なダメージを受けることを書きました。
水冷の自動車では冷却水ガスケット不良で燃焼室内に入ってエンジンを壊すことを「ウォーターハンマー」と呼びます。
ポルシェ356の場合は「ガソリン・ハンマー・エフェクト」と呼びますが、一生知らなくて良い単語です。
燃料コックはとても大事な部分で、356でエンジン不調を感じたら最初に点検する基本的な部品です。
息つきとか、高速の加速不良など多くの場合、コックが詰まっている」ことがあります。
燃料コック存在する理由は、前回に書いたようにガソリンがエンジンに「勝手に」入らないようにするためです。
これを防止するためにコックがどうしても必要なのです。

プリAから初期Aタイプの変更時、キャブは同じなのにマニフォールドを長く(位置を高く)しています。
吸入エアのラム効果による低速域の向上だけではなく、ガソリンによるトラブルを少しでも減らそうとしたのです。
ソレックス32も40も同じく長くされ、リンクの角度変更をしてわざわざ変更する理由は、ガソリン流入対策と思われます。
フロントエンジンの自動車は、ほとんどが「リアのトランクの下」にタンクがあります。
キャブレターよりも下側にタンクがあり、燃料は吸い上げないかぎり、キャブには入りません。
そのため特別なガソリン停止装置は必要がないのです。
サンフランシスコの坂道ほど急なら少しは危険ですが、それでもキャブには届かないでしょう。

VWも初期に燃料コックがありましたが、キャブレターに電気で作動するソレノイドを取りつけて廃止しました。
ちなみに、356に電気ポンプを着けた場合、現代の燃料噴射用を付けると、圧力が高すぎます。
そのためキャブのバルブが負けてしまい、燃料がいつもたくさん出てしまうのです。
すると不思議なエンジン不良が、ここで起きることがあります。
「よかれ」と思って改造すると、ポルシェの場合はほとんどが裏目に出ます。
ですからオリジナルにこだわるほうが、価値があるのはもちろん経済的にも正解なのです。
佐藤自動車工業所
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