ポルシェ356のタコメーターにある二重線が意味するもの

佐藤自動車工業所の佐藤です。
ポルシェ356のタコメーターには2500あるいは3000回転からレッドゾーンの手前まで二重線が描かれているのを目にしているはずです。
この二重線は、このゾーンに入っていれば全開にしていいよ、という目印なのです。
3速や4速で低回転から全開にするとエンジンに大きな負荷が掛かり、最悪過大なノッキングを起こしてエンジンを壊す可能性があります。
ポルシェ356AやBが作られていた当時は、ガソリンのオクタン価が現在より低くノッキングが出易かったためです。
そのため過大な負荷を避けるために、タコメーターに二重線の警告ラインを入れて注意を促しました。

こちらはノーマルの356用タコメーターで、2500回転から二重線が始まります。レッドゾーンは5500回転からです。

高性能版の356スーパーになると二重線は3000回転からに引き上げられます。レッドゾーンは5500回転でノーマルと変わりません。

356C後期の最終型のみ電気式のタコメーターに変わります。スケールが7000回転になり、このタイプから二重線の警告ラインが消え、レッドゾーンは6000回転に上がります。
しかし日本ではポルシェ社の意図が誤解されていました。2500/3000回転以上でないと全開にしてはいけない、という指示が、ポルシェ356初心者に「ポルシェはエンジン回転をあげて走れ!」という都市伝説が生まれたのでした。
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