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オリジナルにレストアする際の問題とは

佐藤自動車工業所の佐藤です。
ポルシェは海外からの輸入製品です。
日本のJISとは違う規格で生産されていますし、そもそも規格が違います。
ヨーロッパでは1958年に国連欧州経済委員会(ECE)の多国間協定に基づき、
多数の自動車部品を相互に認め合っています。
つまり、ドイツで作ったものはフランスでもイタリアでも自動車の「正規認定部品」
として使っていいよ、ということです。

E1と読める番号で生産国がわかります。E1はドイツ製を表します

日本では昭和30年代の「国内産業保護」をにらんで、海外製品はそのまま自動車の
正規部品として「使えないように」とたくさんの規制がかかっていました。
平成7年の輸入規制緩和が始まるまで、日本の認証を受けていない海外部品(ほとんどの
後付け部品)は、車検でパスしないので国産品に取り替えないとダメでした。
例外として輸入ディーラーが新車用として登録してある部品と、ボッシュ日本のような
大メーカーの製品のみが海外製品でも車検に対応していました。

E1の下にある矢印は走行帯を示し、右側をカットして左側を照らす日本、イギリス向け

一例をあげるとナロー911のシートベルト、H-1バルブを使うレアなヘッドライト(日本用の
レンズが最初はなかった)、発炎筒やヘッドレストまで、全部が規制の対象でした。
そのためオリジナルの日本ディーラー車は、皆さんが考える「オリジナル」とは違います。
オリジナルのレストアって、一体、何がオリジナルなのでしょう?
ドイツ仕様だけが正解で日本仕様とアメリカ仕様がダメとなると、
スピードスターのオリジナルもドイツ仕様になるのでしょうか?
そういう、メンドくさい話は口プロレスのネタとして使いましょう。

2008年からは規定が変わり、相当多くの自動車部品がフリーパスで日本の車検を通るようになりました。


E2はフランスです。写真はマーシャルの日本向けヘッドライト。

ここで覚えておきたいのが、1958年に締結された条約に基づくとあるように、
ポルシェ356ではプリAの時代にEマークが付いている部品は使われていません。

オークションでライトの売り物があったら、説明と写真をよく見てください。
とくにオリジナルライトと謳う場合は、E番号があるなら1958年以後のパーツです。
生産国を見てE1以外なら、海外に生産拠点が移した新しい時代の部品となります。

ポルシェ356の電装品、ライト関係でよく使われているのは「K」で始まる番号です。 
これはカールスルーエ(ドイツ)の研究所に基づいて使われ始めた番号となります。
これも初期の356には使われていないことがあるのです。
刻印だらけのドイツ車をレストアするのは、実に気が遠くなる作業です。
人生に正解は無いので、部品に正解を求める気持ちは私も同じです。
しかし、あまり深い穴を掘ってしまうと、掘った自分が出られなくなるのでコワイものです。

こちらはウィンカーの刻印 K3215とK1481。
これ以外にもたくさんの刻印があり、一部はベンツと共通ですが、これも全てではありません。

佐藤自動車工業所

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