クラッチを踏まないで

佐藤自動車工業所の佐藤です。
昔からエンジンの始動時はクラッチペダルを踏むように指導されてきました。
その理由は、ギアが入っていると動き出して事故発生の予防でした。
寒冷地ではクラッチペダルを踏まないとミッションを一緒に回すため、セルモーターの負荷が増えるためです。
またエンジンスタートに失敗してバッテリーの疲労を防ぐための理由がありました。

しかしポルシェ356では、エンジンの寿命を考えると「クラッチは踏まないほうが正解といえます。
クラッチペダルを踏むと、その力はクラッチカバーを「強力に押す」のです。
この押す力は人間2人分くらいの体重でようやく動くほどで、100kg以上となります。
レース用のクラッチでは、もっと大きな力で「強力に押して」いるのです。
この力でクラッチカバーを押してクラッチを切ります。
全てを受け止めているのは、「クランクシャフトのメタル」です。
数百グラムの軽い、小さなケルメット処理された砲金の高額な部品です。

クラッチカバー・ダイアフラム・スプリングの中心にある、光った丸い部分はベアリングが押している箇所です。
長い間踏み続けると、回っているベアリングがクラッチのスプリングを削って寿命となり、変な踏み心地になります。

この円周部分の手前側、幅1cmほどがクラッチの力を全て受け持っています。
大事にお使いください。
クラッチの部品は取り替え前提の消耗品ですから、あきらめが付きます。
しかしクラッチをいつも踏んでいるポルシェ356は、クランクシャフトのガタ付が大きくなる可能性があります。
信号待ちの時は必ずギアを抜いて、クラッチペダルはなるべくフリーにしてください。
こうしたしたほうが、お財布にもやさしい運転になります。
佐藤自動車工業所
TEL:03-3651-1841 FAX:03-3652-5057
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