オイルの温度はどこで測ると正解か?

佐藤自動車工業所の佐藤です。
プリAタイプの「直管式」の油温計はとても良くできていて、かなり正確でした。
これに比べて一般的な356の電気式は、センサーと油温計の相性によって、かなりの誤差がでます。
ですから一度正確に測っておくべきです。

画像はお湯につけてセンサー(1954年初期3ピース用)を暖めて確認しています。
このときのお湯の温度を測ると、メーターの正確さがわかります。
簡易的にはセンサー温度を赤外線温度計で測りますが、センサー表面の真鍮が反射して正確な温度がでないこともあります。
しかし、正確な温度を知らないで走行していれば、やがてエンジンはパーになります。おしゃかです。
銀行ローンを組む羽目になりますので、注意したいものです。

画像は100度のセンサーで110℃と出ていますが、高めの表示ならマアマアです。
直管式は誤差が少なくて好きです。
実はセンサーの位置が、とても温度計の表示に影響があります。
初期のプリAは「オイルゲージ」で測定していました。
これはエンジン内部を循環して「戻ってきた熱いオイル」を測りますので「高め」でした。
1954年、3ピースケースになったプリA後期からクランクケース上部にセンサーが移動しました。
よく616型といわれますが本当は539エンジンです。
今度はオイルクーラーの隣なので、エンジンを潤滑する以前ですから「低め」に出てしまいます。

真ん中にある2個の穴がオイルクーラーの通り道で、左側に斜めに開いているのがセンサーの取り付け位置。
3ピースケースの539の時代にもう一度センサー位置を変更して、クランクケースの下側にセンサーを戻しました。
これは初期のプリAと同じく、戻ってきたオイルの温度を測ることになります。
それでも不満があったポルシェ社は、356Aの616エンジンからクランクケースの上側についている「オイルブロック」で温度を測ることになりました。
この時代から温度計とエンジンの状態がドライバーに「誤解無く」伝わるようになったと思われます。

メーターはあまり変わっていませんが、実は見えないところでとても変更があります。
その変更点を整理してみました。
○プリAで直管式2種類、オイルゲージ式(2ピースケース)、
1954年後期からのクランクケース上部(3ピースの539初期型)です。
○1955-1956年、3ピースケースの356Aタイプ、
539後期型から電気式で、クランクケース下部。
○1957年356A、616タイプからはオイルブロック上部ですべて電気式。
ポルシェ356は改良につぐ改良を重ねていることが、素晴らしいと思います。
佐藤自動車工業所
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