スバル・インプレッサ

公開 : 2016.10.13 02:50

インテリア

昨年、WRX S4スポルヴィータが登場したとき、スバルもここまで内装の質を高めたか、と色めきたった人も多いはずだ。クラスを超えたクオリティを目指したというインプレッサ新型は、それだけに期待も大きい。

5世代目のインパネはステッチが施され、全体的に抑揚のある造形となったことが特長だ。加飾パネルをはじめ、コンビメーターやステアリング、シフトベルト、ベルトリングなどは周囲を金属調パーツで囲い、機能性を表現した。

シートは、表皮のラミネート・ウレタンの厚みを見直し立体的な造形を演出しつつ、手触りや座り心地を向上。バックレストは、ランバー部分にプレートを追加し、胸椎部のパッドは剛性アップして上半身をしっかり支えるようにした。

空調は、新プラットフォームの採用にあわせ、ヒーターブロアユニット一体型を採用。エアコンの効きと温度空間の均一化、静粛性を大幅に向上したほか、風向き調整の自由度を高め、吹き出しモードを多段化させている。

ドライバーズシートにおさまると、前席足元の拡大によって、いままでより自然なポジションが取れることに気づく。ショルダールームが29mm、カップルディスタンスは20mm拡大。後席も足元が26mm広くなっている。

ブートスペースは開口部で100mmも広がり、容量が5ℓプラスと進化した。

装備

国産初の歩行者エアバック、アイサイトver.3、7つのエアバック、このすべてを全車に標準装備。10年先を見据える安全性能を与えたインプレッサは、総合安全性能が世界トップレベルとなった。

これには広い視界の確保と、衝突エネルギー吸収量1.4倍を達成した新プラットフォームも大きく貢献している。

国産メーカー初の歩行者エアバックは、バンパー内部の圧力センサーが歩行者との衝突を検知すると、瞬時にフロントガラスとAピラーの下端をエアバッグで覆う。これにより歩行者の頭部へのダメージ軽減を図るのだ。

エアバッグは、運転席SRSニー・エアバッグをインプレッサに初採用。従来からのデュアルSRSエアバッグ、SRSサイド・エアバッグ、SRSカーテン・エアバッグとあわせて、7つの乗員保護エアバッグを標準装備する。

これに、ステアリング連動ヘッドランプがくわわり、操舵にあわせて光軸が左右に動き、夜間の視認性を高めている。また、アイサイトver.3は2WD車にも展開され、全車に標準装備となった。ハイビーム・アシスト、リア・ビークルディテクション、車線中央維持機能、進化したACCにより、安全性能は申し分ないレベルになっている。

ナビゲーション・システムは8インチの大画面ナビを設定。コンテンツを強化したマルチファンクション・ディスプレイと連動することで使い勝手も向上した。

グレード構成は、スポーツ/G4ともに1.6i-Lアイサイト、2.0i-Lアイサイト、2.0i-Sアイサイトの3車種を用意。

ベーシック仕様となる1.6i-Lは16インチ、2.0i-Lは17インチ、「S」は18インチを履く。また、サイドウインドウ・モールが「L」はブラックアウト、「S」は高輝度メッキ仕立てである。

外装色は、クリスタルホワイト・パール、ダークグレー・メタリック、ピュアレッド、アイスシルバー・メタリック、クリスタルブラック・シリカ、クォーツブルー・パール、ダークブルー・パールの全7色。

価格は、ハッチバックのスポーツが1,922,400円から2,592,000円。セダンのG4も同価格とした。発売日は2.0ℓが10月25日、1.6ℓが本年末の予定だ。

水平対向エンジン50周年を迎えた今年、新型インプレッサは新世代プラットフォームとともにやってきた。今回の取材では、その歴史を彩る名車を報道陣が試乗できる機会もあったのだが、気づけば先ほどまでインタビューに応じていた開発陣もハンドルを握っていた。スバルとはそれができるメーカーなのである。

創業100周年となる来年は、会社名もSUBARUに生まれ変わる。新たな100年を占うには十分な素材をスバルは用意してくれたと思う。


next page:スペックで見るスバル・インプレッサ

関連テーマ

おすすめ記事


解説の人気画像