マクラーレン720S

公開 : 2017.03.10 14:02

第2世代の「プロアクティブ・シャシー・コントロールII」


720Sでは、「コンフォート」、「スポーツ」、そして「トラック」という3タイプのドライビング・モードが用意されているが、パワーユニットとともに、ドライビング・モードの選択によって制御を変化させるのが、第二世代の「プロアクティブ・シャシー・コントロールII」へと進化を遂げた、シャシーのシステムだ。一般的なスタビライザーを持たずに、油圧によるアクティブ・コントロールを行うこのシステムは、マクラーレンのエントリー・モデルであるスポーツ・シリーズには採用されない、いわばスーパー・シリーズが最大の特長とするもの。各ホールに加速度センサーとプレッシャー・センサーを装備し、ここからのインフォメーションをオプティマル・コントロール・アルゴリズムによって分析。わずかに0.5mm秒という反応時間で、まさにその瞬間ごとにサスペンションの減衰力が最適化される。ちなみにこのアルゴリズムの開発はケンブリッジ大学とともに、約6年間という時間をかけて行われたという。

電子制御スタビリティ・コントロール、すなわちESPの介入レベルも、ドライバー自身の選択によって、それを調節することが可能になった。これによってドライバーは、自分が望むドリフトアングルを楽しむことができる仕組みだ。より安全にダイナミックな挙動変化を楽しめることで、720Sがそもそも持つコントロール性の高さは、どのようなスキルのドライバーでも、それを十分に確認することができるに違いない。

前後ともにダブル・ウイッシュボーンのデザインとなるサスペンションは、いわゆるバネ下重量を、前作比で約16kg低減させる軽量設計を特長としている。カーボン・セラミック・ディスクを採用したブレーキ・システムもトータルで、2kgほどの軽量化を実現。タイヤはピレリによって専用開発されたPゼロで、サイズはフロントが245/35R19、リアが305/30R20という設定になる。

関連テーマ

おすすめ記事


解説の人気画像